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RED EYE

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登山、ゴルフ、アクアリウム等、
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富士山 御殿場ルート 2017年4月30日

予てからの目標であった、年末に登る初日の出富士登山。

時期としては微妙ではあったが、下見とトレーニングを兼ねて富士山へ。

冬期、吹き荒れる北西の風を受け難いとされる御殿場ルートで山頂を目指した。

29日の昼過ぎにKさんを奈良に迎えに行き、静岡へ向けて出発。

夕方には御殿場ICを降り、夕食の店と仮眠場所を探すが天候が崩れ始めた。

18時を過ぎた頃には大粒の雨が降り、風も強くなり登山には不向きな状態になる。

1時までには取り付く予定だったので、とにかく仮眠して翌日の山行に備えた。

23時に起床、天候は安定し星空が見える。 風も穏やかで問題なさそうだった。

仮眠場所から30分ほど移動し、御殿場口登山道新五合目へと向かった。

冬期は通行止めの為、ここよりもう少し下の太郎坊トンネル付近から取り付きとなる。

用意を済ませ、期待感を胸に出発するも、GWとは思えぬ寒さが肌を粟立たせた。

0:48 御殿場口登山道新五合目(1,440m) 出発。

20170430 (3)

20170430 (4)

大袈裟かもしれないが、今回はもしかしたらを考えて覚悟を決めて山行に臨んだ。

自身では初となる3,000m超えの山行、しかも相手は開山前の日本最高峰。

残雪とは言え、これまで多くの登山者の命を飲み込んできた冬富士が相手なのだ。

時期的にスラッシュ雪崩も発生しやすく、今回の山行が容易ではないと考えていた。

自然に慈悲の心など無い。 森羅万象の定めに従い、生と死を繰返しながら時を刻む。

真っ暗闇の中、霜の降りた硬く鋭利な、黒い溶岩石の砂利を踏みながら進んで行く。

20170430 (5)

ヘッデンの灯りと背後に見える街の灯り、それと恐ろしく吹き付ける風だけがあった。

痛い。 何かが激しく身体を打つ。 風が吹き付ける度に何かが身体に叩き付けてくる。

強風と共に白い霙と黒い溶岩石の砂が全身を打つ。 早くも富士山の洗礼を受ける。

その内に目を開けていられない程になり、目頭を擦ると黒い砂が出てくる様になった。

夜間でスモークレンズのゴーグルを装備することも出来ず、出来るだけ下を向いて進んだ。

富士山での目の保護は雪眼だけじゃなく、飛来物からも守る必要があるのだと思い知った。

とにかく登るしかない。 下山の選択肢もあったが、まだ諦める脅威ではないと判断した。

1:50 次郎坊(1,920m) 通過。

ようやく雪が目立つようになり、砂の飛来は免れたが風の脅威は増すばかりだった。

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ここから先は写真を撮る余裕もなく、ただ粛々と目の前の課題をこなすが如く歩いた。

雪はよく締まっており、アイゼンを装着することもなく歩けるが強風に押し戻される。

この時から既に予定のルートを外れ、思ったより南側を歩いていたと後に気付く。

ルートを外れた原因は、無意識に体が強風を避ける様に進んでいたと考えられる。

本来ならば夏道が自分の左側にあるはずが、いつのまにか遠く右側になっていた。

視界も悪く、夜間行動だったが、この程度で外れる様では冬山では生き残れない。

幸い独立峰で目的地がハッキリしている為、修正せずにそのまま直登することにした。

東の空が紅く染まる。 夜明けを迎えたが眠らぬ山は変わらず雪煙を巻き上げていた。

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4:20 御殿場口新六合目(2,590m) 通過。

小屋の脇で風を避けながら1本立てる。 行動食を頬張り、まだ遠い頂きを睨む。

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まだここから1,000m以上登ることになる。 予想はしていたが単調でタフな山行だ。

平面ではたった1kmの距離が、高度となるとこんなにも辛く厳しい1,000mになる。

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日の出を迎え、灯りが無くとも歩ける状態になったがペースが上がることはなかった。

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踏みしめる雪が少なくなり足を取られる場面が増えてきた。 富士の氷が足元にある。

斜度がキツい上、アックスを埋め込むほど深い雪も無いのでザックを降ろせない。

早い段階でのアイゼンの装備が必須だった。 氷の上でゴムだけでは無力に等しい。

結局は八合目の小屋まで吹き溜まった雪を狙い、雪面の凹凸を利用しながら進んだ。

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気が付くと風は随分と優しくなっていたが、登った太陽が上からも下からも眩しかった。

眼前には真っ青な空、延々と続く真っ白な大地、遮るものもなくどこまでも自由だった。

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荒天から好天へと変わり、富士山の神が我々を快く迎え入れたかの様に感じられた。

自分の様な小さな存在が、荘厳な富士山の御許で挑戦出来るなど思ってもいなかった。

ただただ今は、許されたことに感謝し、対峙する試みを喜んで受けようと心を決めた。

8:20 御殿場口八合目(3,400m) 通過。

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ここでアイゼンを装着。 足元は雪から氷へと変わり、大人しかった風も再び強くなった。

高度3,200m付近から身体に異変が出始めた。 いわゆる高山病とゆうヤツだ。

頭痛と吐気が治まらない。 それでも身体はまだ見ぬ頂きへと進もうとしていた。

小屋の陰で腰を下ろし、残り約100mを一気に登り詰める為に気合を入れ直す。

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食えるだけの行動食を食い、水分も多めに摂った。 引返す選択肢は無かった。

頭で掛け算割り算をする。 まだ脳は元気だし判断力も鈍っていないし進めるはず。

だがここでもルート取りを間違ってしまった。 運が良かったが命取りになるミスだ。

無意識に身体が楽な方を選択しようとしている。 それに気付く判断力が低下している。

長田尾根と呼ばれる尾根を歩くはずが、小屋の下を巻き南側に出てしまっていた。

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気象庁の職員が通勤に使ったと言われる長田尾根。 夏道はカール状になっている。

足元はキンキンに研いだアイゼンが2mmも刺さっていない硬いブルーアイス。

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滑落したら助からない。 気温が上がれば少し緩むかもしれないが今は危険過ぎる。

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今さら長田尾根に取付けないが、夏道の南西に位置する岩稜の尾根を進むことにした。

岩とアイスのミックスになるがブルーアイスの滑り台よりは遥かにマシで安全だった。

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やはり核心は八号目から山頂までの間。 風も斜度もこれまでとは比べ物にならない。



少しの気の緩みで命を落とす。 そんな緊張感があったが不思議と恐怖は感じなかった。

今回がそうだが山に登っていると、山が優しく後押ししてくれていると感じることがある。

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ピッケルも何故か刺さる場所が見え、弾かれることもなくしっかりと隙間を捉えていた。

酸素が薄く息が苦しい。 30歩進んでは15秒休むルーティンでとにかく登り続けた。



無駄と分かっていても酸素を求めてバラクラバを捲る。 その度に太陽に肌を焼かれた。

どれ位の時間進んだろうか? 白銀の大地が途切れ、視界に青空が大きく映り始めた。

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10:00 御殿場口頂上(3,700m) 通過。

辿り着いた。 富士山の山頂に辿り着いた。 激しく吹き荒れる風が歓迎してくれていた。

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初めて見る富士の火口は巨大で、荘厳な美しさと同時に、虚無に近い恐怖を覚えた。

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驚いたことに人が沢山居る。 富士宮口から登ってきたとゆうスキーヤーが多かった。

休憩もそこそこに、私とKさんは更に先の剣ヶ峯を目指す。 日本最高峰の頂へ。

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10:40 剣ヶ峯(3,776m) 到着。

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たった今、この瞬間に日本最高峰の頂きに立った。 何とも心地の良い瞬間だった。

叩き付けてくる強風でさえも、優しく肌を撫でられているかのように感じる程だった。

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西を望むと遠くには南アルプスの山並み、南を見下ろすと富士宮口と御殿場口方面。

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元来ピークハントにそれほど興味を持たない私でも、感動を覚えるには充分だった。

兄弟に贈った山賊旗を山頂で掲げ、私達は日本の頂きで束の間の喜びに酔いしれた。

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山に登る。 なぜ辛い想いをしてまで登るのか? その答えは未だ見つかっていない。

自身の答えも見つからないままだが、分かっているのは山が好きだとゆうことだろう。

己の無力さ、未熟さを感じさせ、常に素直な気持ちで自由になれる唯一無二の存在。

傲慢に育ち過ぎた人間も、自然の圧倒的存在の前では本当に小さな個でしかない。

そんな当たり前の日常で忘れてしまった当たり前を思い出させてくれる場所が山だ。

「デッカイな」 その一言が全てを凝縮した言葉だろう。 私達はとても小さい存在だ。

11:20 下山開始。

富士の核心はまだ終わらない。 本当の核心は下山にあると言っても過言ではない。

山頂で酔いしれた気持ちをリセットし、生きて還る為に気を引き締め直して下山する。

とにかく八合目を過ぎるまでは油断ならない。 滑落すると止まれる自信が無い傾斜。

本来登るはずだった長田尾根を使い下山する。 切断された鉄柱が溶岩石に目立つ。

これが撤去されたとゆう暴風壁の跡なのだろう。 有り難い事に道標になっている。

岩が露出しており、強風に耐える為に掴む場所も多くあり、確かに最適なルートだ。

高度が下がるとガチガチに凍っていた箇所も、少し緩んだようで爪がよく効いた。

七合目から先はアイスは無く、割と普通の雪山の状態になり歩き易く感じたが遠い。

これを本当に登ってきたのか? 何処まで下れば良いんだ? そんな気持ちになる。

新六合目を過ぎた辺りから雪が消え、真っ白な大地は真っ黒な大地へと変わった。

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アイゼンを外し、眼前に移る景色を眺めていると、ここが本当に地球なのかと思う。

行ったこともなく映像でしか見たことはないが、自分は火星にいるのではないかと。

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非現実的な漆黒の大地を踏みしめて下山するも、意外な足止めを食らい難航する。

沈む。 足が膝まで溶岩石の砂利に埋まって上手く歩けずラッセルで進んでいる。

深く沈むと、ゲイターやブーツは鑢の様な溶岩石に削られ引裂かれて傷んでいく。

まさかの状態に苦笑いする私達。 正直な所、今回の山行で一番辛かった箇所だ。

遠くに見えている登山口は近付かず、足を取られ踠き苦しむ様はアリ地獄の様だ。

振返ると近くに見えて遠い山頂が目に映った。 最後まで試練を与え続ける最高峰。

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15:10 御殿場口新五合目(1,440m) 到着。

永かった。 ジョン・ミルトンの失楽園の一節がよく似合うと感じた道程だった。

「地獄より光へ至る道は長く険しい」 これほど合う言葉は他にないと思える程だ。

また一つ成長出来たかもしれない。 多くの試練を与え無事に還してくれた富士山。

反省すべき課題を沢山残したが、初日の出登山への良いシミュレーションになった。

帰路、車中から富士山を眺めて思った事がある。
「富士山は登るより、遠くから見る山だなぁ。」と。











THEME:登山 | GENRE:スポーツ |

COMMENT

富士山お疲れ様です。

GWの富士山は歩きやすくてよいですよね。自分は夏に登る気がしませんw
とはいえ主様が書いている通り雪崩の危険がある時期ですので注意が必要ですね。
年始の登山ですとたぶん佐藤小屋利用が一般的かと思いますが気象条件に寄りますので年末の成功をお祈りしてます。
ただ年末の本番で高度障害が出た場合は今回のように無理はしないでくださいね。運が悪いと死んでしまいます。

最後になりましたが私のつまらない日記のようなページに来てくれてありがとうございまうす。

No title

RED EYEさん

私も『雪のある時期』しか登ったことありません。
山に入ってまで人混みはごめんです。
GWあたりから、6月中旬くらいが登りやすいですね。
梅雨時も意外と雲上に頭出して晴れてたりします。

機会があれば山頂泊も面白いですよ。
色々発見があります。
私の『ソウロ』のレポで上げた写真は5月20日近辺のですね。

No title

お疲れ様でした!!

私はまだ富士山に登った事ないんです。
私の中でも
「富士山は登るより、遠くから見る山」なんです!
totoちゃんからは、一度は登らないと駄目だと言われるんですが(^^;;
blogを読みながら、痛感した事はやっぱり富士山は怖い(^^;;

私は遠くから眺めてたいでした!!

泥船船長(608) 様へ

泥船船長さん、初めまして!
拙いブログにご訪問有難う御座います!!

常にパンチドランカーとゆうか高度障害が出てるような奴ですが、
今後ともどうぞ宜しくお願いします^^

年末は何処かで高度順応させる為に一泊する予定です。
といってもビバークになると思いますがw
佐藤小屋、確かによく聞きますね~、一度ちゃんと調べてみます^^

初めての富士山、思ってたよりしんどかったのが本音です。。。
もっと強くならなければと課題が沢山できた山行でした。

ありがとうございました^^

目目連様へ

目目連先輩、こんにちわ!!
いつも有難う御座います^^

やっぱり本格的な山屋は人を避けて登るもんなんですよねw
シーズンの富士山を見てると、まるで通勤ラッシュ。。。

山頂泊ですか~。 確かに面白そうではありますね^^
ソウロだとしっかりと耐えてくれそう!!
やっぱり初日の出狙う人は山頂で張るんですかね~?
先輩の記事を読んで勉強します^^

ありがとうございました^^

kaka様へ

kakaさん、こんにちわ!!

山屋さんで富士山未踏の方って意外と多いですよねw
自分もそうでした^^ でもやっぱりタフな山でした~。

7合目から山頂は意外と短い時間で行けちゃう感じですが、
それまでが苦行とゆうか何とゆうか、ひらすら登る感じが。。。

で、登って下りて思いました! 富士山は遠くから見る山だとw

ありがとうございました^^

No title

RED EYEさん、こんばんは!

雪の富士山登頂おめでとうございます!

積雪期の富士山の光景すごいですね!
なんか日本じゃないみたいです。

写真でもかなり急傾斜にみえますが
実際は比べ物にならないほど
急な斜面なんでしょうね。

いろいろ怖えー!!

それにしても
ご無事でなによりです☆

mojimaro様へ

mojimaroさん、こんにちわ!
いつもありがとうございます^^

初めての富士山でしたが、八合目から先は急登でしたね~。
九十九折の夏道と違い、直登は直登で楽な場合もありますが、
やっぱり高低差考えると大変な登りっちゃ登りですね。。。

年末年始に登る時は途中からはシリセードで下りたいですね☆
だって下りで膝がバルス状態になってしまいます。。。

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