新宮川水系北山川摺子谷左俣大滝 2020年11月29日
ただ記録を見ると、どの登攀に関しても難しく時間が掛かったとゆうような内容ばかりだった。 190mと大きい滝で、グレードは分からないがエイドクライミングのピッチもあると記されている。
七面山南壁 Long Hopeの登攀以降、初めての大滝登攀に私は緊張感を隠せないでいた。 モチベーションを下げまいと日々のトレーニングは欠かさずに行ってはいたが、やはり本番となると恐怖感は襲ってくる。 ただ何故か今回は恐怖感よりも高揚感の方が増しており、今日は絶対に墜落はしないだろうと予感させるものがあった。
7:10 摺子谷橋
元よりこの谷は水量が少ないようで、橋の下は伏流しているのか水は無かった。 しばらく遡上を続けて本流から左俣へと入り急登の谷を登ると摺子谷左俣大滝が眼前に現れる。 車止めから約1時間程で滝下へと辿り着けた。
8:00 登攀開始。
水量は殆どなく岩も乾いており、天気も申し分なく素晴らしい登攀日和だった。 2人ともクライミングシューズに履き替えてクライムオン。 まずは私のリードでT1へ登った。 そのままT2まで伸ばそうかと思ったが、50mロープが届くか微妙だったので仕方なくピッチを切った。
8:15 T1より2ピッチ目。
2P目はわんこ♂のリードで一気にT3まで駆け上がった。 不慣れなクライミングシューズでも確実なライン取りで支点を極めていくのは流石だと思った。
9:40 T2より3ピッチ目。
問題のT2からの登攀、記録ではエイドクライミングとなっており、登攀ラインもテラスを拾いながら左上するようだ。 だが私はそのまま直上から右側の凹角に回り込むラインを選択。 始めはブッシュのスラブだったが次第に傾斜は垂壁から薄被りへと変化してきた。 ブッシュ帯を抜けてからは快適なスラブだがプロテクションが取れない。 浅いリスにプアプロで5m以上はランナウトしていた。 再びブッシュ帯に入るとここが一番の難所だった。 足元が泥壁で岩の上に生えた親指程も無い太さの枝ばかり。 ホールドは乏しく更にハングしているとゆう核心部。 行きつ戻りつを繰り返しながら何とかムーブを見付けて登るも何度か足が切れてキャンパーになったが、ハンドサイズのクラックがありジャムがバチ効きしたので安心した。 右側の水線に寄り凹角をステミングで登ったところでピッチを切った。 伸ばしたロープから考えると、T3を飛ばしてT4からT5の間まで登ったことになる。 結局エイドは使わずにフリーで突破したが、50m弱伸ばしたにも関わらずプアプロで5ピンしか取れなかった。 体感的には5.10c/d程度のグレードのように感じたが、支点が取れないのはやはり怖い。 そのままコンテで広めのテラスに出たのが10:20、行程としてはかなり早いスピードで登っているように思えた。
10:40 T4-T5付近より4ピッチ目。
少し休憩し、わんこ♂のリードで4P目を登攀。 下から見ていると良さそうだったフェイスも思った以上に悪く、フォローで登っていてもかなり気持ち悪かった。
11:10 T5直下より5ピッチ目。
T5のテラス前のスラブでリードを交代し、一旦は大テラスで多めの休憩を取った。
わんこ♂は慣れないクライミングシューズで足が痛いようだ。
背後には良い展望が。
11:35 T5より6ピッチ目。
コンテで1段上に上がるつもりだったが、そのまま私のリードで登ることになった。 水線の左側のスラブは快適だったが、ここも次第に壁面は垂壁へと変化してきた。 ホールドが乏しいので水流の中へ入るもヌメリが酷く嫌な踏み感で少し緊張する。 細かいホールドを頼りに直上し、水流のハング帯を狙ったがヌメった岩にミウラーのソールが効かずに踏み出せない。 結局は左側の灌木でピッチを切ろうとしたが、ここでもブッシュ帯の薄被りに阻まれてしまった。 何とか笹の中にあった太めの木の根でプロテクションが取れたので、思い切ってマントルを返して突破した。
12:20 T6直下より7ピッチ目。
恐らく最後であろうピッチはわんこ♂のリード。 出始めは凹角の中に生えた灌木をモンキークライム。 だがここが思ったより悪く、壁面も脆い上に灌木の強度もかなり怪しかった。 やはり抜けは薄被りになりスラブとなるが、ここでも絶妙なカチが続くが脆い。 スラブ面に入った時点でビレイヤーの私からは彼の姿を視認することは出来なかった。 ロープの流れが遅くなったので少し緊張したが、上手く抜けれたとコールがあった。 フォローで登りは快適だったが、出だしのモンキークライムでザックが引っ掛かるのでかなりストレスだった。
13:00 登攀完了。
まだ上部に小滝が続いたが、特に登攀要素がありそうでもなかったのでさっさと下山を開始。 この滝の本当の核心部は下山なのではないかと思うくらいだった。 右岸をしばらくトラバースし、50mをダブルでフル懸垂を4回半。 落石も多く途中は空中懸垂だったので、明るい内に余裕を持って下山出来て良かったと思った。 それでも2時間近くは懸垂で下山していたので、これがヘッデン下山だったと思うとゾッとする。 帰りはきなりの湯で温泉に浸かり飯を食って帰阪。
思ったこと。
減量で動きやすくなったが体力が激減した。。。
COMMENT
REDEYE様
ブログ更新お待ちしていました!
REDEYE様の突き抜けた感性は、やばそうな滝や沢に魅せられているのでしょうねw
しかも今回はお写真の顔に大分余裕があり、やばいやばいと言いながら楽しまれたことと想像してしまいましたw
泥船船長あるいは608 様へ
今回は10Pのところを直上で7Pで登りました^^
フリーでオンサイト登攀を決めれたので満足しています。
核心部ではずっと吠えまくってましたけどwww
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