双門弥山ルート 石の双門-迷ヶ岳-修復山 2015年6月29日
後述しますがアクシデントに見舞われて、本気で遭難するかとヒヤヒヤしました。
今回は前回と違い、迷ヶ岳-修復山、更に行者還岳までのロングコースです。
前記事はコチラ → 大峰山 双門弥山ルート 2015年4月29日
熊渡-双門弥山ルート-石の双門-迷ヶ岳-修復山-弥山-八経ヶ岳
奥駆道を経て行者還岳-行者還小屋-大川口のルートで挑みました。
下山後、大川口から熊渡へ戻ることを考慮し、大川口に自転車をデポ。
4:43 熊渡 出発。
カナビキ尾根との分岐。 双門弥山ルートは左へと降りて行きます。
美しい景観の白川八丁。 地下に川が流れている不思議な場所。
5:19 釜滝 通過。
梅雨時期ともあり、4月下旬に訪れた時よりも水量が多くて驚きました。
釜滝を左方向に巻き、階段を経て双門の核心部へと入っていきます。
途中で異様にグラつく橋。 注視すると手摺の根元が腐っています。
水量が多く渡る場所が限られており、石の上を飛ぶのは危険。
足の届く場所を探して渡るか、諦めて濡れるかにしないと怪我します。
ダイナミックな景観とルートファインディングが魅力の双門弥山ルート。
時期的に湿度が高く、濡れた岩は滑り易いので要注意。
水量が多いと美しさを増す反面、侵入者に対して牙を向きます。
もし川に落ちると流れが早く深いので、沢に慣れていないと溺れるかもしれません。
途中で見掛けたキノコ? 羊っぽく見えたので羊の木と勝手に命名。
6:25 一ノ滝 通過。
やはりここも水量が多く、以前に訪れた時より迫力がありました。
吊橋を渡ると梯子が連続する核心部へ。 ここの名物ですね。
土壌は湿り気があり、苔が多く群生し、とても滑り易いコンディション。
石のトンネルを潜り抜けると名物の梯子が現れます。
高所恐怖症の方には辛いかもしれませんが、私は高所が大好きなので平気です。
朝日を受けて美しさを増す双門弥山ルート。 紫陽花の香が心地良い。
相変わらずここの尾根は怖いです。 踏み外すと崖下まで直行です。
この写真、激痛でのた打ち回った時にシャッターを切ってしまったようです。
足元が崩落し、木を掴んでいた左腕一本で体を支える格好になってしまいました。
その時に体を振られた衝撃で肩が捻じれ、左肩を脱臼してしまったのです。
木を掴んだ左手を離すと滑落するので激痛のあまり気を失いそうになりました。
脱臼した腕一本に体重+装備品+落下の運動エネルギーが加わったので地獄です。
何とか安全な場所に這い上がって肩を嵌めて応急処置。 本気で死ぬかと思いました。
鎮痛剤を服用して30分程、気絶する様に休んでいました。
何とか動けるので続行を決意、このまま予定通り進むことにしました。
痛めた左肩は外れ易く、左腕をほとんど使えないのが辛かったです。
特に岩壁を登る時は危険でした。 足元は何もありませんから絶対に落ちれません。
7:33 仙人嵓のテラス 通過。
双門大滝の迫力は本当に素晴らしい。 力強さと美しさを兼ね揃えています。
正面に臨むのが仙人嵓。 晴天の空とのコントラストが最高です。
仙人嵓のテラスから進むと遭難者のレリーフがあります。
遭難者のレリーフのある場所から正面に臨むのが頂仙岳。
レリーフを背中に本ルートを横切って石の双門を目指します。
進路を右に巻きながら下っていくと見事な石の双門が現れました。
写真で伝えきれないのが残念ですが、とにかく巨大で圧倒されます。
石の双門の存在を知ってから、どうしても訪れたい場所でした。
情報量が少なく不安でしたが無事に到着することが出来ました。
石の双門を後にし、本ルートに戻ってザンキ平を目指します。
8:25 ザンキ平 通過。
道標を右に進めば橋を渡って狼平方面。 今回は直進して迷ヶ岳を目指します。
天気が良いので、ザンキ平から遠くの金剛山まで見渡せます。
迷ヶ岳まではとにかく頂上を目指すように進めば迷うことはありません。
それなりに踏跡があるので歩き易いルートになっています。
8:55 迷ヶ岳 山頂 通過。
迷ヶ岳から修復山の取付きまでは緩やかな下りが続きます。
修復山の取付きは少し険しく、バリエーションらしいルートになります。
時折ブッシュになったり、迷ヶ岳と比べるとルートが消えかけています。
開けた場所から稲村ヶ岳方面。 天気が良くて素晴らしい眺望です。
9:53 修復山 山頂 通過。
白テープが巻かれている所がどうやら山頂のようです。
消えかけていますがテープに修復山と書かれています。
修復山から弥山方面を望むと、霧が立ち籠めてきました。
立枯れの木々の間を抜けて行くのですが、これが中々歩き難い。
ブッシュ地帯もあります。 よくみると微かに踏跡が在ったりします。
10:22 弥山神社 通過。
霧に包まれて荘厳な雰囲気。 またもやガスに見舞われました。。。
オオヤマレンゲ自生地ではチラホラと大山蓮華が咲き始めていました。
10:49 八経ヶ岳 山頂 到着。
3度目の八剣山、今回も残念ながらガスで何も見えませんでした。
今日の相棒、カリマーSF プレデター30。 信頼できるザックです。
再び弥山小屋に戻り、奥駈道を経て行者還岳を目指します。
吉野から逆峯で奥駈を抜ける場合、結構な登りになる階段。
歩きながら奥駈を抜けるのは容易ではないと再認識させられる。
11:40 聖宝ノ宿跡 通過。
聖宝ノ宿跡に鎮座しておられる方は聖宝理源大師。
太閤秀吉の醍醐の花見で知られる京都醍醐寺を開いた方で、奥駈道中興の祖。
この像に触れると天候が崩れるとの言い伝えられている。
12:17 奥駈出合 通過。
ここが行者還トンネル西口方面と奥駈道との分岐。
出合から先は非常に歩き易い。 特に危険箇所もなく足に優しい道です。
第57の靡、一の多和。 奥駈道には75の靡があります。
奥駈道から鋸の刃の様に見えるのは大普賢岳。
バイケイソウが花を付けていました。 群生地なので匂いがキツかったです。
13:33 天川辻 通過。
13:39 行者還小屋 通過。
とても綺麗な佇まいの小屋です。 小屋の右側から行者還岳を目指します。
道幅が狭く、崩れやすい箇所があるので注意が必要です。
木の階段は歩き易いですが、張られているロープはテンションが弱いです。
稜線に出ると歩き易い道になり、特に危険箇所はありません。
14:06 行者還岳 山頂 到着。
ここから再び行者還小屋を経て天川辻から大川口を目指します。
ここからが第二、第三のアクシデントが発生。 所謂ルートロストです。
小坪谷へ向かうルートなのか大川口に向かうルートなのか不明でした。
旧関電巡視路を目指しましたが崩落箇所多数。 気付くと完全に迷っていました。
勾配がキツくて崩れやすく、下から上に戻るのはかなり大変でした。
脱臼した左肩は痛みで使い物にならず、枯木をピッケル代わりにして登り返しました。
今思えば、冷静に判断すればこの様な事態に陥らずに済んだと反省しています。
画像の青い線で描いた様に上からトラバースした方が安全に通過出来たと思います。
若しくは黒い点線のルートで小坪谷駐車場を目指しても良かったのかもしれません。
この時点で肩の炎症で熱が上がり、焦ったのもあり冷静さを欠いていました。
谷間でロストし、2Lあった飲料が尽きた時は流石に遭難を覚悟しました。
何とか気をしっかりと持ってルートを発見、かなり体力を消耗しました。
安心して進んでいるとまたもや崩落箇所。 捨てザイルが設置されていました。
高度を下げるに連れて、ルートがハッキリしてきましたが崩落箇所は多数。
ようやく歩き易い道になると下の方から川の音が聞こえてきました。
16:00 大川口 到着。
何とか無事に下山出来たと思いきや、橋が壊れて渡れません。。。
辛うじて浅い部分を膝まで浸かりながら川を渡り、無事に下山完了です。
大川口にデポっていた自転車に乗り熊渡を目指して走りました。
16:55 熊渡 到着。
怪我、道迷いと危険な目に遭い、沢山の経験をさせて頂きました。
単独行で携帯電話の通じない場所での怪我はかなりの絶望感です。
移動距離25km、行動時間12時間、アクシデント多数。
改めて山の厳しさを思い知った山行でした。
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COMMENT
うーん、ちょっと無理しちゃいましたか(*_*)
やっぱりまずは身の安全からデスネ。
と、言いながら私も山行は10年以上単独ですが。
とはいえ、やはり情報収集は大切です。
行者環岳からの関電巡視路は、鉄塔が撤去されてから廃道となって久しく、荒れているため多くの登山者が避けるルートなんです。
ある意味REDさんだから無事下山できたのかもしれません。
下山は迷いやすいので、一度は通ったことのある道を選んだ方がいいかも知れませんね(^-^ゞ
しかし綺麗なバラにはなんとやらじゃないですが、危険も孕むルートですな。
ソロなのに鎮痛剤を飲んで続行とはタフ過ぎて笑ってしまいました(いや、笑い事じゃないですね)
早く怪我を治してくださいね~
No title
紀伊の山はやっぱり緑が深いですね。
降雨量のせいでしょうね。
私は紀伊山地は参上してません。
それにしてもロングコースをやりましたね。
私はおっさんなので、膝が痛くてダメです。
デザートカラーのサラマンダー、おそらく人とかぶることないでしょうね。
オンリーワンはプチ優越感ありますよね。
mojimaro様へ
すみません、チョット無理しましたw
道中の怪我はイレギュラーとしても、
旧関電道は完全にリサーチ不足でしたね。。。
山をナメたらアカンって再認識させられました。
無事に!?下山出来ましたが、しんどい下山ルートでしたw
タキビ様へ
美しいコースですが、増水すると怖いですねw
沢屋さんには大した事ないでしょうけど、
濡れたくない人には辛いコースですね。
元々、左肩に脱臼癖があるんですが、
さすがにバリルートでの怪我は焦りました(´・_・`)
目目連様へ
大峰の山々は本当に奥深くて面白いです。
今年の大型連休もアルプスは避けて大峰と考えています。
未だにサラマンダーと気付かれてませんw
沢山傷が付いて良い味が出てきました^ ^
No title
左肩、大丈夫ですか?怪我をされた後に写真を撮りながら歩けるRED EYEさんが凄すぎです。天気が良くて緑と水が綺麗ですね。
前回のレポも凄いですね。アスリートな感じで刺激的でした。蛾を食べた後の写真、通勤電車の中でふいてしまいました(笑)すみません。
たまねぎ様へ
左肩はポンコツ状態ですw
双門弥山コースは本当に美しいコースです。
鎮痛剤が効いたお陰で続行可能でした。
今回も虻と蝿が多かったんですが、
蛾と戯れた私には何ともありませんでした。
盛大に笑って頂いて嬉しいですw
コメントありがとうございました^ ^
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