冬のレイヤリング考察+実験 2017年2月2日
これに関しては十人十色、好みや体質もあるので絶対コレとゆう答えはないでしょう。
あくまでも個人的な見解ですので、ご参考程度に受け止めて頂けると幸いです。
まず気化熱について。
※気化熱とは液体の物質が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。
液体が蒸発する為には熱が必要になり、 液体が接している物から奪って蒸発します。
体が濡れていると、表面の水滴が体温を奪って蒸発しようとするから寒くなるのです。
特に冬山では外部からの浸水による濡れより、汗冷えのリスクが大きいと思います。
発汗は気温が上昇したり、運動したりすることにより、生理現象として起きます。
外部からの濡れは防げますが、発汗による濡れはどうしても防ぐことは出来ません。
汗をかき過ぎないように行動する、厚着しすぎないように気を付ける等の対策はあります。
悪天候、風や寒さを防ぐシェルを着込んでも汗冷えしてしまったら元も子もありません。
個人的には動かないと止まってたら寒いかな?位のレイヤリングを心掛けています。
厚着して汗冷えするなら、薄着で行動して休憩時にアウターを着た方が良いと思います。
私の友人にはノーモア汗冷えを掲げて半裸で冬の大峯を駆け抜ける猛者もいますが。。。
※よい子のみなさんはぜったいにマネしないでください。
各社から素晴らしい商品が発売されていますが絶対的に万能な物は存在しません。
私が色々試した中で、個人的にバランスが良かったと思ったのが以下の組合せになります。
下着:mont-bell ジオラインL.W.トランクス
ベースレイヤー上:ibex M's Woolies 1 Crew+化繊のヒートテック的なインナー
ベースレイヤー下:ibex M's Woolies 1 Bottom+化繊のヒートテック的なインナー
ミッドレイヤー上:薄手のフリース(私はアークテリクスのKonsealを着ています)
ボトムス:ソフトシェルパンツ
ウールは保温性が良いが濡れると乾きにくく、ストレッチ性に欠ける欠点があります。
化繊は速乾性に優れて動き易いが、気化熱によって体温が奪われやすい特徴があります。
汗冷えし難いウールでも、限界以上に汗をかくとどうしても気化熱で体温を奪われます。
乾き難い素材の為に、延々と濡れ続けるとゆう負のサイクルに見舞われてしまいます。
速乾性素材の物も、濡れると乾こうとするので必要以上に汗をかくと寒い思いをします。
気化熱によって体温が奪われる速度はとても早く、想像以上に身体に負担を掛けます。
いくら上着を着ても、汗で濡れた身体は急速に冷えて体温が奪われてしまいます。
休憩中にアウターを着込んでも、どうしても寒いとゆう経験をした方は多いと思います。
小刻みな震え、身体を動かし難い、倦怠感、それは低体温症の初期症状かもしれません。
低体温症に罹ってしまうと命の危険があり、最悪の場合は「疲労凍死」で死亡する。
と、怖い事を述べましたが、低体温症は命を落とすリスクがあるので要注意です。
ウールも化繊も登山に於いて高いアドバンテージを誇りますが一長一短あるのも事実。
そこで薄手のメリノウール+化繊インナーの重ね着を試したところ結構良い感じでした。
肌に直接触れているウールが保温、その上の化繊インナーが吸汗放湿+速乾を担う。
乾きにくいウールの欠点を化繊が補い、化繊の気化熱による冷えをウールが補う。
冬用の化繊インナーも速乾性に加えて保温性もあるので+αの効果があるようです。
実際に前回の荒島岳で思いっきり汗をかきましたが、ほとんど寒さは感じませんでした。
※(1/22 荒島岳にて天候は曇り後雪 平均気温-9℃ 平均風速10m/s)
断続的に汗をかいてもドライな状態が続き、適度な温度で快適に動けたのは驚きでした。
(下山時は運動量が下がり、寒く感じたのでソフトシェルジャケットを着込みました。)
寒ければ着る、暑ければ脱ぐがレイヤリングの基本ですが行動中は難しい場面もあります。
なるべく脱ぎ着せずに行動出来ないかと模索してた結果が今回の組合せになりました。
汗をかかないように動くのは難しく、場所や状況では脱ぎ着出来ない場合も出てきます。
その他の組合せも試してみましたので、せっかくですので一応紹介しておこうと思います。
ベースレイヤー上:finetrack アクティブスキンロングスリーブ+ibex M's Woolies 1 Crew
ベースレイヤー下:finetrack アクティブスキンタイツ+ibex M's Woolies 1 Bottom
ミッドレイヤー上:薄手のフリース
ボトムス:ソフトシェルパンツ
この組み合わせも良かったのですが、ファイントラックが高性能過ぎて問題が出ました。
恐らくファイントラックで揃えないと本来の性能が発揮できないのではないかと思います。
身体はドライですが、吸い上げた汗で他のウェアがびしょ濡れになってしまったのです。
この辺は好みでしょうが、私はウール→化繊の順に着重ねた方が自分には合いました。
ヒートテック的なインナーと書きましたがこの時はヒートテックの極暖シリーズを着用。
ヒートテックはダメ!と意見が多かったので試した結果、特に問題はありませんでした。
ヒートテックに関わらず、化繊のみのだと気化熱による汗冷えで辛いかもしれません。
しかし運動量や体質によりけりで、化繊がダメとゆうことは絶対にないと考えられます。
私はウールが好きでずっと着ていましたが、どうしても汗冷えはついて回る問題でした。
いくら保温性が高くても、限界を超えて濡れてしまうと結局は気化熱で寒い思いをします。
混毛のウェアもありますが、何となくどちらか寄りのスペックに偏ってる感がある印象。
本当に何となくの意見ですが、ミックス素材よりは別々に考えた方が良い様な気がします。
別々の方がシーンに合わせて単体でも重ね着でも使えるので汎用性が高いと思います。
どんなに高い製品でも安い製品でも、一定の限界値を越えるとどれも似たり寄ったり。
最後は己の肉体の限界値によって左右されるので、自分の身体を知ることも大切です。
高機能だから良い、安いからダメ、この素材は大丈夫とゆう色眼鏡は危険だと感じました。
固定観念で考えるより、異素材の組合せ次第で対応出来る幅が拡がるように思えました。
※冬期1月下旬、高度2000m以下でのフィールドテスト結果です。
※個人的見解と個人的な体感での結果ですので、絶対的な結果ではありません。
COMMENT
No title
レイヤー悩みますよね。
山行の内容ごとに購入していくと
いくらお金があっても足りませんね(笑)
私は下着類は
生駒金剛あたりだと
ユ○クロやワー○マンで済ませますが、
台高、大峰ならやっぱりモンベルが無難かなあ。
ファイントラックは高価なので
気合入っている時用ですねw
アウター&ミッドシェルは
人と同じものを着ていると
なんだか照れくさいので
さすがにモンベルは避けていますが。
ハーフパンツ一丁で、冬の沢を…www
それはそうと、確かに冬のトレッキングウェアはかなり悩みます。
厚着して汗冷えはかなり辛いですよね。
僕の場合は行動中はベースレイヤー+フリース+ハードシェル、休憩では中にダウンを着て凌いでます。
でも太ったおかげで前より寒さに強くなったかも…
先日は雪中トレッキングに行きましたがデブ化した割には軽快に動けて自分でも驚きましたw
mojimaro様へ
いつもありがとうございます^^
実はこの間ワークマンのシェル買ったんですよw
これが想像以上に良スペックで今後使っていくと思います。
藪漕ぎ、登攀等を含むバリエーションには持って来いですね。
しっかりと防水するし耐久性もある、尚且つ軽くて動き易い。
しかも安いときてるのでヘビロテ確定ですね。
ただインナーに関しては永遠のテーマの様に悩みますよね~。
激しく動く場合は、ちょっと寒い位が丁度良かったり。。。
タキビ様へ
>
> ハーフパンツ一丁で、冬の沢を…www
>
そうなんですよ、奴は只者じゃありませんw
ノーモア汗冷え、汗冷えする原因を取っ払うとゆう究極の選択ですw
手術後に動けなかった影響もあり体脂肪が18%に。。。orz
最近トレーニングを頑張って、ようやく15%に戻りました。
でも雪山をガンガン行くなら15~18%位あっても良いかもですね^^
写真の男は体脂肪率が常に1ケタ台なので、行動中は常に食ってますw
絞り過ぎで燃費激悪な姿は軽4にアメ車のV8エンジン積んでるが如くです。
No title
私も薄着ですよ。
八ツでも動きっぱなしの時などは、ftスキンメッシュ+モンベル・ジオライン+アウターシェルでもOKです。
10分以上じっとしてると寒いでしょうけどね。
私は厚着でも薄着でも、どっちみち大汗をかく人なので、薄着で行動して、10分以上留まりそうな時は、1枚着込むようにしています。
重ね着は個人個人で経験から導き出すしかないですね。
今も試行錯誤中です。
目目連様へ
レイヤリングは個人差もあり状況もありで難しいですよね。
目目連先輩のブログは本当に参考になりました。
コレばっかりは永遠のテーマかもしれませんね~。
お金が羽が生えたように消えていきますが。。。
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