厳冬期富士山登山 2017年12月31日~2018年1月1日
予てから目標でもあった年末年始に掛けて登る厳冬期富士登山の帰還報告。
日本一の山で初日の出を見たい。 そんな単純な想いから計画するに至った。
2017年12月30日 20時30分 大阪出発。
出発日の夕方までボルダリングジムにて登り納めとして3Q課題を撃ち込んでいた。
道具はほぼ車に積み込んであったので、最終的なチェックだけ済ませて出発した。
ほぼノンストップで刈谷SAまで運転し、トイレ休憩の後に急激な睡魔に襲われてしまう。
とにかく眠かった。 駿河湾沼津SAまで進み車中で夜明けまで仮眠を取ることにした。
エンジンを止めシュラフに潜り込み眠ろうとするが神経が昂ぶってほとんど眠れない。
結局は夜が明けてしまい、眠れぬまま御殿場まで移動する。 いい加減腹も減ってきた。
2017年12月31日 6時30分 御殿場市 到着。
適当な店も開いておらず、コンビニでコーヒーだけを買い下見がてら太郎坊へ向かう。
陸自と米軍基地を間を抜けて富士山スカイラインを車を走らせる。 少し積雪がある。
真っ白で見えなかった富士の山が突然眼前に現れた。 やはりデカい。 圧倒される。
いよいよ今夜登る。 たった独りで登れるか不安だがやるだけやって納得したかった。
御殿場口登山道入り口は通行止め。 トンネルを越えた先に駐車スペースがある。
しかし既に満車状態。 夕方まで待って空いていなければもう少し下に停めて取付く。
一旦Uターンし、御殿場市内へと戻った。 仮眠も出来て風呂も入れる施設がある。
スパリゾート オアシス御殿場。 10時から営業なので適当に時間を潰すしかなかった。
開店から昼までゆっくりと風呂に浸かり、アカスリを頼み身を清める。 飯を食い眠る。
15時を過ぎた頃オアシスを後にし、再び太郎坊へと車を走らせた。 覚悟は出来た。
コンビニで握り飯を買い、お湯を水筒に入れさせて貰い駐車スペースへと向かった。
丁度良い感じで空いており駐車出来た。 まだ時間があったのでシュラフに潜り込む。
17時半に目覚めた。 ゆっくりと用意を始める。 その内に誰かが上から降りてきた。
明日は宝永山に登るとゆう方がルートの下見に行っていたそうだ。 少し話をした。
暫くしてもう1台の車が私の横に停まり、この方も富士山頂を目指すと言っていた。
おおよその準備が済んだところで赤橙が近付く。 静岡県警の巡回だが少し様子が違う。
降りてきた警官がファイルを片手に名前を聞いてきた。 登山届と車の照会をするとゆう。
天候と体調、撤退場所と時間を念押しされていた。 本当に有り難い、ご苦労様です。
2017年12月31日 18時30分 太郎坊洞門前駐車スペース 出発。
厳冬期富士山単独登頂を目指し出発。 もう迷いはなく、修羅道に入る覚悟で挑む。
弱音を吐くことも辛いこともあるだろう。 人の心は捨てて行く、自分は今から鬼になる。
俗世間のしがらみ全てを捨てて、地虫の様に地を這いたった独りで試みを受けよう。
眼前に広がるのは漆黒の闇。 左から吹き下ろす激しい向かい風が私の侵入を拒む。
二ツ塚から吹き下ろすつむじ風が行く手を阻む。 それでも風を切り裂き前へと進む。
恐らくヘッデンの灯りだろうか? 遠く先に明滅を繰り返していた灯りが近付いてくる。
19時過ぎだったろうか、下山してきた男性と出会う。 6合目で引返してきたとの事。
確か奈良から来られていた方だ。 上部は風が吹荒れているとの情報を頂いた。
まだ戻る段階ではないし、自分自身が何も出来ていないので先へと進むことにした。
四合目に差し掛かる頃、足元に雪が目立ち始める。 風は更に強さを増して吹き荒れた。
宝永山からの風が猛威を奮い、黒く凍ったアイスが恐ろしく滑る。 それでも前に進む。
この時点では北西風ではなく南西風だった。 雪は少ないが風は荒れに荒れていた。
月明かりがとても綺麗でやけに明るかった。 節約の為ヘッデンのスイッチを消す。
何も見えない。 地吹雪が激しく舞い上がり視界が効かない。 前に進めなくなった。
六合目の140m下部で身動きが取れなくなった。 風が強く這い蹲ったまま動けない。
這うしか台風姿勢の取りようがなく、真っ白で何処から風が来るのかすら分からなかった。
岩尾根を這って進んだが次第に岩と氷のミックスになり前進するには危険だった。
一旦、五合目の小屋前へと戻り態勢を整えることにしようと向きを変えた瞬間だった。
私の身体は宙に浮いていた。 ほんの一瞬、油断した。 ザックから落ち滑りだす。
腹這いに向きを変えた。 バイルに体重を掛ける。 弾かれつつも岩に掛かり止まった。
運良く氷面にスルッと落ちた為、何処も強打せずに怪我もなく加速前に停止出来た。
ゆっくりと身体を起こし慎重に五合目まで降り、ツェルトを張って今後の行程を考える。
2017年12月31日 22時20分 五合目(新六合目小屋) ビバーク。
この状態では進めない。 ご来光だけ見て登頂を断念するか時間を置いて続行するか。
シュラフカバーを纏って思案しているといつの間にか眠っていた。 2時間ほど経過した。
寒さで目覚める。 ゆっくりと片付け用意する。 ツェルトの外から誰かの声が聞こえる。
明けましておめでとうございますと新年の挨拶と共にソロで登ってきた男性と出会った。
六合目付近の状態とご来光だけ見て撤退か続行か悩んでいたことを彼に打ち明けた。
彼は登頂する野心に燃えており、彼の前向きな姿勢に私の気持ちも再び昂ぶった。
2018年1月1日 1時30分 五合目(新六合目小屋) 出発。
心強い同志を得て、行ける所まで行こうとゆうことでここからは2人で進むことになった。
やはり強い風が吹いてはいたが視界は良好、山容もハッキリと捉えることが出来た。
何より地吹雪が見えることで風の向きが判り耐風姿勢も取り易く状況は良くなっていた。
下部を見ると5つ程のヘッデンの灯りが見える。 同じく登頂を目指す同志たちの光。
青白い月明かりが美しくも恐ろしく明るかった。 眼前に迫る山頂は未だ遠く果てしない。
2018年1月1日 3時10分 七合目(日の出館) 到着。
日の出までにはまだ時間があった。 小屋の間にテントが一張、強風に揺らめいていた。
この高度でこの強風の中でのテン泊。 やはり冬富士にはイカれた猛者が集まるようだ。
2人でツェルトを被り風から身を守り、行動食を食い少しばかりお互いの身の上話をする。
彼もまた強者で、アルプスを縦走後に栂池で1週間スキーで篭った後の冬富士だった。
条件が良ければ簡単に登れる富士山だが、ここから先は技術と体力が必要な世界。
ワンミスで命を落としかねない環境では、誰かに頼らなければ登れない者は存在出来ない。
2018年1月1日 3時45分 七合目(日の出館) 出発。
長く休憩した為に身体が冷え切ってしまった。 夏道へは行かずそのまま直登を開始する。
酸素が薄い。 少しの動きで息が切れる。 リズム良くストップアンドゴーを繰り返す。
30歩進んで30秒止まる。 歩幅や進む距離に関わらずこのルーティンを守り続けた。
自分にとってはこれが過呼吸を抑えるのに丁度良いペースで疲れにくい歩き方だった。
3,050m付近で思ったより東に進路を取り過ぎていたので夏道の方へと軌道修正。
月明かりに浮かぶわらじ館を目指す。 直登すると成就岳に詰めるが少しいやらしい。
そのまま進んで長田尾根に合流しても良かったが、思ったより雪が少なく歩き難かった。
軌道修正に20分費やしたが、違和感を感じた時は素直に直感に従って修正した方が良い。
厳冬期の定番でもある長田尾根を進んだが、やはり雪が少なくガレて非常に登り難かった。
雪崩れの心配も無さそうなので夏道の大弛沢に降り落石に注意し右岸寄りに進んだ。
2018年1月1日 6時50分 高度3,560地点。
東の地平線が燃える。 2018年の初日の出。 山頂でのご来光には間に合わなかった。
しかしあまりの美しさに息を飲んだ。 日の出にこれほど感動したのは初めてだった。
全てが紅く染まる。 雪、氷、岩、空、雲、影、そして自分でさえも紅く色付いていた。
暖かい。 冷え切った心と体が暖められる。 凍てついた想いが溶けて溢れ出るようだ。
涙は間もなく凍り乾く。 安堵感と幸福感に満たされながらも、どこか孤独感が付き纏う。
誰かの理解がほしい訳じゃないが、少し寂しさと切なさを感じたのも正直な気持ちだった。
再び頂きへと歩きだす。 風が止み、夏道の見えた厳冬期らしからぬ山が私を頂へと誘う。
一歩一歩を確実に踏みしめる。 自分は誰かの理解が欲しくてここに来たわけじゃない。
2018年1月1日 7時50分 富士山頂浅間大社奥宮 到着。
やはり山頂は雪は少なかった。 寒さこそ際立ったが風は優しく肌を撫でる程度だった。
六合目から共に歩んだ友は少し体調が悪そうだった為、ここで休憩すると言っていた。
軽い高山病だろうか? 彼のことが心配ではあったが私は一人で剣ヶ峯へと向かった。
時折、膝まで埋まったがガチガチのアイスは無く、特に危険もなく山頂へと登り詰めた。
2018年1月1日 8時25分 富士山頂剣ヶ峯 到着。
2018年元旦 私は日本最高峰に立った。 4月の練習登山以来2度目の登頂。
やはり達成感も何も感じなかった。 あったのは自分が生きているとゆう実感だけだ。
無感動な訳ではないが、山頂や厳しい山行自体に何の価値観も満足感も感じない。
何故山に登るのか、今までも沢山自問自答したがこれといった答えは見つかっていない。
行きたい場所へ行きたい時に行くだけだ。 ただその過程に山頂があるだけのこと。
それでも頂から見下ろす世界は広大で気持ちが良い。 シンプルな感動だけで十分だ。
登った。 後は安全に下って帰るだけ。 とにかく七合目までは気を抜かずに下る。
浅間大社奥宮まで戻り、彼の様子を伺ったが休んでマシになったようで安心した。
本人曰く、睡眠不足による急激な睡魔だそうで、もう何ともなく大丈夫だと言っていた。
何度か富士に登っているが、剣ヶ峯は未踏らしい。 今回も剣ヶ峯へは登らないとのこと。
勿体無い様な気はするが、価値観は人それぞれ。 私はそれについて何も言わなかった。
八合目までは夏道をショートカットしつつ下った。 上部より下部の方が雪が多かった。
すれ違った方に山頂までの時間を聞かれたが、山頂付近はガスに覆われ始めていた。
少し心配ではあったが、頑張れば八合目から2時間弱で登頂出来るはずだと伝えた。
進むも戻るも自分次第。 相手に転身を促すのは何か違う気がしたので注意しなかった。
2018年1月1日 10時00分 八合目(見晴館跡) 到着。
妻に作ってもらったシュトーレンを分け合って食べた。 この行動食でかなり助かった。
軽量で少しの量で高カロリーを摂取出来るので、こうゆう山行には非常に有効だった。
ただ作るのにかなり手間が掛かる為、作ってくれた妻に感謝しながら美味しく頂いた。
装備を切り詰めたので持ってきていなかったが、コーヒーが飲めれば最高だったろう。
寒冷地では想像以上に身体の水分が奪われる。 常に乾きとの戦いだったように思う。
とあるアクシデントで火器を失ってしまい、非常時に水を作れないのでギリギリだった。
当然ながらサーモス以外の飲料は見事に凍ってしまい、すぐに飲める状態ではなかった。
八合目を出発し下り始めた途端にホワイトアウトまではいかないが視界が悪くなった。
雲の中に入ったのか真っ白で方角が判り難い。 たまに吹き下ろす強い風で雪が舞う。
柱を見失わないようにブル道を下る。 とにかく長い。 長くて退屈な下りが延々と続く。
途中で七合目でテン泊していた方に出会う。 ここから3人で談笑しながら下って行く。
退屈な下りも誰かと居ると気分的に違う。 身の上話をしながら進むと長い時間も楽しい。
この方もかなりの猛者で、富士山下山後に甲斐駒に向かい、翌日から登ると語っていた。
雲を抜けたのか眼下に景色が拡がったが、登山口は遥か遠く、段々と会話も少なくなった。
2018年1月1日 12時50分 二合八勺 通過。
直線で柔らかい砂礫を一気に駆け抜けて下った。 気が付いたら独走で誰も居なかった。
遥か後方に2人の姿が見えたが、足がパンプする前にとにかくペースを変えずに下った。
2018年1月1日 13時30分 大石茶屋 到着。
ここで皆を待った。 同じ山で出会って苦楽を共にした同志と何も言わず別れるのは嫌だ。
駐車している場所がそれぞれ違うので、ここで実質の別れとなるので皆を待つことにした。
20分程で2人とも降りてきた。 互いの健闘を称え、いつかの再会を誓いここで別れた。
2018年1月1日 14時30分 太郎坊洞門前駐車スペース 到着。
遠く長かった厳冬期富士山が無事に終わりを告げた。 疲れたが気持ちは晴れやかだった。
私の車を含め、数台の車が停まっていた。 駐車場に着くと1台の車から人が降りてきた。
前夜、宝永山に登ると言っていた方。 私の事が心配になって待ってくれていたとのこと。
私の出発時間を知っていたので、下山時間が遅く何かあったのかと気にかけてくれていた。
無事に下山した私の姿を見たので、これで安心して帰れるとホッとした様子だった。
互いに名前も知らないのに、親身に心配して待ってくれていた心意気に深く感動を覚えた。
心配かけてしまったことを詫び、感謝の気持ちを伝えて温かい気持ちで帰路についた。
単独行で入った山で心の通った人たちと出会えた今回の山行は素晴らしい体験だった。
名誉のためでなく
名声のためでなく
誰かのためでなく
ただひたむきに山に向き合う
感じ取る全てが心地良い
そんな山人に私はなりたい
COMMENT
あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします!
富士登山、途中でハラハラしましが無事に登山されて良かったです!
素敵な方と一緒に登れてよかったですね!
登頂おめでとうございます!
厳冬の富士登頂おめでとうございます!
ブログ記事をワクワクしながら読ませていただきました。
自己責任と相互扶助の原則の中での
ひたむきな登山の形を見せていただいた気持ちになりました。
やはり冬富士は一味も二味も違う荘厳な山ですね。
自分は春富士8合過ぎで高山病になって登れなくなったことから
富士山は避けていたのですが、ブログ読ませていただいて
いつかは自分も冬富士に挑戦したくなりました。
もしその時が来たらいろいろ細かく教えてください。
又、私のブログにもコメントありがとうございます。
豪雪新潟は侮れなかったですw
しかし今回の経験は良かったと思っています。
今回の経験は今後の冬山に生かしていきたいと思います。
取り急ぎ書き込みで失礼します。
No title
まずは厳冬期富士登山の登頂&無事下山本当におめでとうございます。
そして何といっても…
凄い!凄い!凄すぎる!
私なんて下山中に少し辺りが暗くなっただけでも半泣きになっているのに、この差はいったい何でしょう…(笑)
山賊さんのブログを見ていると一介のサラリーマンであっても努力次第ではこんなに凄いことが出来るんだ!と勇気づけられます。
改めておめでとうございます!
kaka様へ
本年もよろしくお願いします^^
体調は如何でしょうか? どうぞご自愛ください。
今年は例年になく大人しめの富士山だったようで、
私の様な者でも登頂することが出来ました。
山中で出会った皆さんは本当に良い方たちで、
最高の年明けとなりました。
泥船船長あるいは608様へ
ありがとうございます、何とか登頂することが出来ました。
道迷いのリスクも少なく、ひたすら登って下りる山ですが、
やはり独立峰ならではの難しさもあるとひしひしと感じました。
登った後は「もう二度と登りたくない」と思うのですが、
少し時間が経つとまた登りたくなる不思議な魅力があります。
豪雪の信越は凄かったようですね、ブログ読んで緊張感がありました。
長期山行となると行程と装備のバランスも非常に難しいですよね。。。
素早い判断で転進されたことは本当に素晴らしいと思いました。
いつの日か一緒に登れる日を心待ちににしております^^
mogwai様へ
ありがとうございます、何とか帰還できましたw
ナイトハイクを繰り返したおかげかもしれません。
夜間行動に耐性が付いたので行動の幅が拡がりました。
ただ、寒冷地でのバッテリーの劣化が怖かったです。
途中で同じ目的に向かう同志に出会えたことも幸運でした^^
やっぱり山は良いですね。
ありがとうございました^^
No title
すばらしい。
私はオヤジなので最近は楽な冬山ばかりです。
でも、加速前に止めれて良かったですね。
最後のアークのアルファ45が光ってます。
これホントに使いやすいですよね。
登頂&新年おめでとうございます!
目目連様へ
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします^^
念願だった厳冬期富士山登頂を達成できました。
例年になく優しい富士だったようで運が良かったです。
滑落に関しては普段から練習しておいて正解でした。
少しでも躊躇して加速してしまったらと思うとゾッとします。
アークのアルファ45は本当に良いザックですよね^^
シンプルだけど使い易い、正にアークって感じがします。
ありがとうございました^^
- 山稜と渓谷へ 山と谷をめぐるシブの遍歴
- 大阪わらじの会
- 電話工事屋さんの作業日報(改)
- 山稜の彼方へ
- 「それいいな!」の山道具
- Nature Times
- 山へ行こう♪
- はぐれ雲のDigital Photo Blog
- ぢんのきおくのきろく 【スノーボード・登山・フリースキー】
- もじもじ草子
- 六甲山探検隊 Mt.Rokko Expedition Party
- 芋次郎的山歩き
- 30代からはじめる山旅
- Weight of the happiness
- 山遊楽会(サフラン)・大阪府岳連盟所属の山岳会
- 飄逸沢遊会 ひょういつたくゆうかい。沢登り主体の大阪の山岳会。
- えれぇこった!えれぇこった!hiro日記Ⅱ
- えれぇこった2号kakaの珍道中♪
- 遺構調査機構
- Can On photo Blog
- 信越トレイルクラブ オフィシャルサイト
- Yosemite-store
- 横田店スタッフの徒然ブログ
- PHANTOM MOUNTAIN RECON OFFICIAL WEB SIT
- 管理画面
