大峰山脈 双門弥山歩道 その1 2018年4月8日
予想はしていたが、想像を超える水量と凍結した岩で山行は困難を極めた。
全行程、実に16時間の長丁場となりパートナーの2人も非常に疲れたであろう。
早朝4時過ぎ、計画より少し遅れて熊渡より入山。 真っ暗な林道を突き進む。
去年の台風の影響なのか、雪解けによる崩落なのか、前回訪れたよりは荒れた印象。
出発から1時間程で白川八丁へと降り立つ。 まだ辺りは暗く目標を定め難かった。
上流へと進めば釜滝へと突き当たるので、水線を外さなければ迷う心配は無い。
釜滝は相変わらずの様相だった。 ここでの水量は情報としてはあまり参考にならない。
すぐ上部に取水堰があるので判り難い。 この日はダムの底が見える程に少なかった。
但しここでの水量が少ないからといって、必ずしもここから上流が渇水気味とは限らない。
遭難者ご遺族のプレート。 この願いを読む度に、改めて山への気持ちが引き締まる。
遥か先に双門が見える。 同行者の2人はここからの景色に心が躍ったようだった。
一般登山道としては関西屈指の難路と謳われる双門弥山歩道を進むのは容易ではない。
無雪期でも難しいとされるが積雪期、残雪期となると難易度は格段に増し危険度が増す。
幾度となく渡渉を繰り返すが、予想以上に雪解け水が流れ込んで水量が多く渡り難かった。
私はおどけて見せていたが、無事に2人を下山させることが出来るか不安で堪らなかった。
奥深く美しいこの登山道は、無情にも毎年の様に多くの遭難者を生み、何人かの命を奪う。
私自身もこのルートで足元が崩落し、命を落としかけた経験があるだけに不安は拭えない。
出来るだけ安全なルートを探すが、2人の体力と判断に任せるしかない部分も多くあった。
山行の動きは想像力。 2人なら大丈夫だと判断し、時間以外での転進は考えなかった。
6:30 私達は一ノ滝に到着した。 既に30分程、予定より進行に遅れが生じていた。
私が今までに見た中では一番の水量で、滝が吐出す水はとても迫力があり見事だった。
薄らと雪が乗り始め、高度を上げる度に苔むした大地は白銀の世界へと変わり始める。
梯子は凍りついていた。 握りしめるとグローブが癒着して進むごとにストレスが溜まる。
登高を繰り返していると西側に見えるのは位置的に二ノ滝だろうか、やはり水量が多い。
薄くのった雪、薄く張った氷でソールが滑り始め、足運びに気を使う場面が多くなった。
足元には可憐な霜柱が花の様に咲き乱れていた。 大峯山中の完全な春はまだ先か。
長い梯子、東側のルンゼには流れ込んだ雪解け水が凍りついたのか氷瀑が出来ていた。
仙人嵓テラス手前の鎖場で足を滑らせた。 一瞬だがキャンパーになり落ちかけた。
背筋に冷たい汗が流れ落ちる。 左側は切れ落ちており絶対に墜落出来ない。
鎖のアンカーを掴んでいた為に事なきを得たが、落ちると谷底までフォールしてしまう。
2人に待機するように伝え、私は支点を作りビレイで2人を引き上げる方法を取った。
万が一の場合でも墜落は止められるので、こうゆう場合にロープは本当に役に立つ。
仙人嵓のテラスに到着したのは8:40、通過に時間が掛かり1時間40分の遅れだった。
双門の滝と仙人嵓を望む。 落差70m以上の滝も写真では壮大さが伝わらない。
美女たちと記念撮影。 普段は超雄みたいなムサい連中と一緒なのでとても嬉しい。
女子が一緒だとモチベーションが上がる。 やはり楽しい山行は女子と一緒に限る。
ここで少し休憩し、お目当ての石の双門へと進み、計画通りに狼平まで抜ける。
メンバー全員が八剣山を含む山頂を踏んだことがあるので、無理に山頂は目指さない。
状況によって撤退するのも転進するのも、それはそれで山の楽しみ方の一つだと思う。
写真が多く記事が長くなるので今回は2部作に。 ここから天候が急変するのであった。
COMMENT
No title
山ガールに大峰残雪ルートとは
なんとスパルタなw
まあ、恥ずかしながら私はここを辿ったことないんですけど
かなりハードらしいですね。
でも風景が素晴らしい、関西じゃないみたいです(笑)
なるほど山ガールさんの表情が明るくていいですね。
うむ、若いって良い!
そういえば先日、観光気分で
前鬼の不動七重滝に行ったのですが
水量が乏しくて何だかショボかったです。
しかも水底にアクみたいなのが溜まっていて
全然前鬼ブルーじゃなかったー
おはようございます(*ˊ˘ˋ*)♪
何時も違って素敵な女性二人と双門コースに行かれたんですね!
何度か行きましたが、大好きなコースです!
テント装備を担いで沢を登ったのが1番直近かな?
娘と3人で行った時など、途中娘がまだなの??って嘆いておりましたが、途中からのハシゴでワクワクしたのか元気復活!!
何時もテント泊装備を担いでなので、たまには日帰り装備で登ってみたくなりました!
天川村!
いいなぁ(爆)
学生時代に天川村って一度訪れたことがあります。
東京から東名高速で深夜にぶっ飛んで朝に兵庫。
当時兵庫にいた友人宅にInして小一時間でツーリングに連れ出されw
確か名前が「谷瀬のつり橋」だったと思いますが、
すごい高さのつり橋を観光しました。
あの頃は山には全く興味がなかったので、今考えるともったいないことしたなぁ。
あのくらい山深い場所だったらいろいろ楽しめたのに(笑)
後半の記事も楽しみにしています。
mojimaro様へ
山ガールからのリクエストで今回の山行が実現しましたw
ともあれやっぱり残雪の谷筋はこわーい悪場の連続でした。
これならガッツリと雪があった方がマシなような気がします。
うん、若いって良い! 美女と一緒だと気分が挙がりますw
前鬼に行かれたんですか?
やっぱり雪代が流れ込んで淀んでいるんですかね?
kaka様へ
テン泊装備でここを登るのは一苦労しそうですねぇ。
重装備だと時間も掛かってしまうし尊敬します^^
本当は小屋泊でも良いのでゆっくりと見て回りたいのですが、
時間が無くていつも弾丸ツアーになってしまいます。
それにしても双門を登られた娘さん凄いですね!
子供を連れて行けるkakaさんもヒロさんも凄い!
そうゆうのを聞くと自分もまだまだ技術を身に付けねばと思います。
泥船船長あるいは608様へ
美女と行く湯煙ツアーならぬ双門弥山歩道の旅。
男臭い連中といくより楽しい時間を過ごすことが出来ましたw
谷瀬に吊橋とゆうことは十津川村の方ですね~。
あの辺は深い谷が多く、関西随一の険谷、イブキ嵓があります。
とゆうか行程がヤバすぎですw 若い時ならではですねw
東京―兵庫―天川―十津川とか大阪からでも疲れちゃいますw
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