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    RED EYE

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    RED EYEです。
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    大峰山脈 双門弥山歩道 その2 2018年4月8日

    山ガール2人と行く残雪期の大峯 双門弥山歩道の旅。 前回の続きの記事。

    仙人嵓のテラスで壮大な双門の滝を眺めながら小休止、風が冷たく粉雪が舞う。

    降り積もる雪が歩いてきた軌跡を静かに消してゆく。 遠い記憶をかき消すかの様に。

    テラスから少し先、頂仙岳がよく見渡せる開けた場所に鎮魂の慰霊碑がある。

    1994年4月、道迷いで下山中に崖下に100m転落したとゆう痛ましい事故の記録。

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    ご夫婦で登られていた時の事故だそうで、考えただけでも辛く胸が締め付けられる。

    ワンゲル部出身のベテランだったそうだが、山ではいつ何が起こるかは分からない。

    ただ一つだけ、山で死んだらダメだ。 何があっても生きて帰る事が大事だと思う。

    ここから何かを学び取ることが、亡くなられた方への最大の慰みとなるのかもしれない。

    慰霊碑から間もなく東側へと進路を取り、谷筋を少し下ると石の双門へと辿り着く。

    ここでアイゼンを装着。 ミックスは歩きなれていない2人だったが良い練習になる。

    涸れ沢にも雪解け水が流れ込み、凍結箇所が多数あったので爪があった方が安心だ。

    途中で1本谷筋を間違えて裏双門に出る。 引返して尾根を乗越て石の双門へと下る。

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    眼前に静かに表れたのは雪の舞う見事な双門。 ただ静かにひっそりと佇む様は美しい。

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    底面には氷柱が出来ており、これまでにない妖艶な姿で私達を魅了する石の双門。

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    裏側から覗くと岩峰の間に巨大なアーチ状の岩が掛かっており、正に門になっている。

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    一先ず目的は果たされた。 時間から考慮して各山頂部への登頂は諦めることにした。

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    元のルートへ復帰しザンキ平へ。 稲村ヶ岳方面、遠くには金剛山地まで見渡せる。

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    河原小屋方面へと下らずに直登すれば迷ヶ岳、修復山を経て弥山へと登ることも可能。

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    この橋の下から双門の滝の下部へと降り立つことが出来るが、いつも時間がなく行けない。

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    1泊の時にでも行こうと思うが縁がないのだろう。 多分今後も行くことは無さそうだ。

    河原小屋跡までも核心は続いた。 いつ滑落してもおかしくない箇所に凍結と積雪がある。

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    フィックスが張れずに自力で通過してもらうが、2名ともしっかりとクリアしていた。

    谷筋の巻き道は恐ろしい。 滑らせると谷底まで真っ逆さまに墜落してしまうだろう。

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    木々の隙間から三鈷滝が見える。 風は冷たく身を切り、依然と雪は舞い続ける。

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    悪場所の連続だったが無事に川床へと辿り着く。 ここまで来れば少しは安心出来る。

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    ここからエスケープも可能で、時間切れや緊急の場合はナベの耳へと登れば良い。

    積雪期、残雪期はザンキ平から河原小屋間の下降ルートが難しい様な印象を覚えた。

    ザンキ平から迷ヶ岳、弥山を目指すか迷ヶ岳から下降してここに下りるのも良いだろう。

    巨岩が目立つ河原小屋跡。 これは2011年9月の台風で大崩壊が発生した爪痕。

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    河原小屋跡から空中回廊までの間、渡渉して中州に立った時に妙な物を見付けた。

    腹が減っていた私は新品のサバ缶とサンマの蒲焼の缶詰を見付けて幸運だと思った。

    しかし何故こんな所に? 辺りを見渡すと雪に埋まったザックやギアが次々と出てくる。

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    ゾッとした。 応急処置で治療した痕跡もある。 間違いなく遭難者の遺留品だった。

    要救助者、若しくは遺体がないか辺りを捜索した。 しかし何も見付からなかった。

    考えられるのは既に救助澄みか、自力で空身で下山したか。 それとも。。。。

    私達に出来る事は散らばった物をザックに一纏めにしてあげる事だけだった。

    難路でもあるこのルートで余分な荷物を持って帰るだけの余裕は私達にはなかった。

    下山後、吉野署に問合せたら3/31の遭難者で、既に救助済みとのことだった。

    残雪とはいえ、雪の残る大峯に入るには些か装備に問題があるように思える。

    無謀にもこのルートに突っ込んだのか、滑落して落ちてきたか下山で迷い込んだか。

    遭難者を叩くつもりは更々ないが、命があって良かったが死んでいてもおかしくない。

    いずれにしてもこれ以上この大峯の山中に、悲しき墓標が増えない事を切に願う。

    少し気持ちが沈んでしまったが、気を取り直して狼平を目指して登高を繰り返す。

    千丈嵓にはまるで白い大蛇が伸び上がるかのような不思議な氷瀑が出来ていた。

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    鉄縄梯子を越えて空中回廊へ。 凍結した岩肌が恐ろしく滑る。 コケよりも怖い。

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    いつの間にか晴れ渡った空、大峰主峰の稜線には美しく見事な樹氷が見られた。

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    聖門滝では今にも崩れ落ちそうな雪崩層に危険な破断面が多く見受けられた。

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    最後まで気を抜かずに登り切り、15:55に狼平避難小屋へと辿り着くことが出来た。

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    小屋で遅めの昼食を食い、慌ただしくもあったがすぐさま熊渡へと下山を開始する。

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    どの道、この時間からだと日没になりヘッデン山行での下山となるのは必至だった。

    夕日に染まり始めた美しい樹氷群を愛でながら足早にカナビキ尾根へと向かう。

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    頂仙岳の巻き道での樹氷は特に見事だった。 稜線部ではもっと美しかっただろう。

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    カナビキの分岐で18時を過ぎていた。 やはりナイトハイクでの下山になってしまう。

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    私は夜間行動に何の抵抗もなく好んで行動するが、あまり褒められたものではない。

    道迷いも起こしやすく怪我の可能性も増える。 林道に着くまでは気を抜けなかった。

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    金引橋を通過したのが19時半。 熊渡に到着し下山完了したのは20時だった。

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    双門デビューの2名は、疲れながらも約16時間の山行に満足の様子だった。

    2名が喜んでくれた上に、無事に下山することが出来て私も本当に嬉しい。

    誰かの為に何かを為す意味の深さと難しさ考えさせられた学びの多い1日だった。





















    THEME:登山 | GENRE:スポーツ |

    COMMENT

    No title

    ハザマです。こんにちは。投稿拝見しました。
    遺留品って、怖いですね。。
    もし、包帯や血痕が散乱していれば、
    遭難か?ってなりますよね。
    そうならないよう、気をつけます。

    ハザマ様へ

    ハザマさん、こんにちわ!

    そうですね、やはり遭難の痕跡などを発見すると、怖いですね。
    今回はアルコール消毒等の応急処置の跡がありました。
    助かったとは聞いていますが怪我の程度までは判りません。

    お互いに気を付けて山行に臨みたいですね^^

    No title

    こんにちは、RED EYEさん!

    ハラハラドキドキの登山、
    完遂おめでとうございます(*^^*)
    どんなルートでも雪があるのと無いのとでは
    本当に別物ですねぇ。
    滑りそうな箇所多数で見てるだけで
    ヒヤヒヤもんですわ(笑)

    全然話変わりますが
    渓流釣りのほうはどうですか?
    REDさんは私の行ったことのない渓を紹介してくれるので
    毎回楽しみでしょうがありませぬw

    No title

    608です

    山行中に遺留品発見なんておっかない思いをしましたね。
    初心者女性を2名も連れていての状況なので心穏やかではなかったと想像します。

    とにかく無事のご帰還お疲れさまでした。

    mojimaro様へ

    mojimaroさん、こんにちわ^^

    ほんと足元悪いとどんな場所でも怖いですよね。
    毎年の様に遭難者が出ているルートはそれなりに悪いです。。。

    釣りは今週末辺りから活動を本格的に再開しますよ^^
    mojimaroさんも一緒に奥美濃行きませんか??

    泥船船長あるいは608様へ

    船長さん、こんにちわ!

    やっぱ山行中に遺留品とか見ると引きますねw
    テンションがダダ下がりでしたよ。。。
    何とかみんな頑張って無事に下山出来たので良かったです^^

    ありがとうございました^^

    No title

    こんばんわ♪

    16時間がんばりましたね!!
    私はヘッテンつけての下山とかめっちゃ不安になるんですが
    お二人の女性凄いですね♪

    遭難者のザックを見つけた時は、びっくりですよね。
    お疲れ様でした!

    kaka様へ

    kakaさん、こんにちわ!
    体調は如何でしょうか?

    そうですね、遭難者の痕跡は見てしまうと凹みますね。。。

    長時間にも係らず、みんなよく頑張りました^^

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