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    RED EYE

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    RED EYEです。
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    越美山地 荒島岳 ヒメマチ稜 2019年1月13日

    1月、正月終わりの連休。 南紀の沢に出掛けるか雪山で揉まれるか。

    わんこ♂を誘うと珍しく体力作りで雪山に行こうと言うのでラッセルしに行こうと決めた。

    しかし近畿圏内も含めて暖冬の影響か、どこの山でも積雪量は少なそうだった。

    伊吹山か荒島岳か、調べると伊吹山は地面が見えている、荒島岳に決定。

    どうせなら一般登山道からではなく、バリエーションルートから行こうと話し合った。

    何気なしにぽんず君を誘うと行きますと返事。 3人のメンバー編成で荒島岳に向かった。

    前夜発、12日の23時には予定通り勝原スキー場に到着、朝までテントで仮眠を取る。

    しかし、4テンを任せたわんこ♂、「テントあるけどポール忘れた、設営出来へんwww」

    まぁ、仕方ないのでゴロ寝で仮眠。 オシャレキャンパーぽんず君は少し引き気味。

    快適な幕営、満天の星空と平らな地面、国道の車音を子守唄に深い眠りに就いた。

    4時過ぎには起床、ボチボチと用意を済ませて5時前には勝原スキー場を出発。

    4:55 勝原スキー場 駐車場(340m) 出発。

    ヒメマチ稜_190207_0099

    まだ辺りは暗く、ヘッデンを点けての取付き。 冷たい風は心地良く気持ちが良かった。

    ヒメマチ稜_190207_0098

    ヒメマチ稜_190207_0097

    しっかりとしたトレースが有り難く、寝起きの身体を起こしながらシャクナゲ平に到着。

    不要と思いストックを置いてきた。 早くも疲れてきたがストックを使う2人は早かった。

    7:25 シャクナゲ平(1204m) 通過。

    ヒメマチ稜_190207_0095

    2張のテントがあった。 行動食を食い、地図を確認し下降ポイントを探った。

    佐開コースの尾根筋を狙って横谷を左に見ながら藪漕ぎで下降していった。

    急峻な下りではあったが、アイゼンツボ足で下る。 踏み抜く藪でワカンは使えない。

    ヒメマチ陵_190205_0001

    ヒメマチ陵_190205_0002

    着実に高度は下がっていたが、横谷の対岸に見える急峻な尾根に息を飲んだ。

    ヒメマチ陵_190205_0003

    この時点から、これは難しい挑戦になるだろうと誰もが感じていたに違いない。

    下降を続ける中、私も含めて皆このチャレンジの成功を疑ってはいなかった。

    8:20 横谷下降地点(820m) 通過。

    ヒメマチ陵_190205_0004

    谷の水量は多かった。 雪渓が残るらしい横谷。 デブリが多く長くは滞在出来ない。

    雪はそれなりに締まってはいたが油断大敵。 いつ何が起こるか分からない。

    渡渉して取り付きを探った。 わんこ♂とぽんずは尾根の末端へ向かっていった。

    私は直登で尾根への取り付きを探った。 何故か途切れていたがトレースを見付けた。

    スノーシューの踏み跡、横谷の滝にでも向かったのだろうか、 それは途中で消えた。

    胸まで埋まる雪を押し込み乗り上げて高度を上げていくが、思うようには進まなかった。

    私より少し早く尾根に取り付いたわんこ♂とぽんずが上から私に声をかけている。

    10:00 ヒメマチ稜線(945m) 到達。

    ヒメマチ陵_190205_0006

    思ったより手こずった。 稜線に乗りきるのに1時間40分も費やしてしまった。

    既にわんこ♂が藪い尾根をラッセルで切り開き、ルートを構築し始めていた。

    私たちは雪山経験の少ないぽんずを間に挟み、慎重に痩せ尾根を進み始めた。

    ヒメマチ陵_190205_0005

    雪が重い。 荒島特有の湿雪に体力が奪われていく。 蟻地獄のようなラッセルだ。

    背後には素晴らしい景色が見える。 ただ同時にゾッとした。 もう引き返せない。

    ヒメマチ陵_190205_0050

    ここまで掛かった時間と横谷への下降を考えると時間的にも戻る選択は厳しい。

    時計に目をやった。 この先の行程は予定通りにはいかないと容易に想像できた。

    ヒメマチ陵_190205_0010

    わんこ♂は弱音など一切吐かずに黙々と先頭でラッセルを続けてトレースを残す。

    微力ではあるが安全な場所ではぽんずに、それ以外では私が先頭を代わって進む。

    ヒメマチ陵_190205_0015

    ヒメマチ陵_190205_0011

    次第にルートが複雑になり始める。 雪面の下に岩稜がある直登ポイントに出合う。

    ヒメマチ陵_190205_0017

    フリーで先に行ったわんこ♂、藪が多くてロープを下せないので先に行ってもらった。

    ボルダーとしては強いぽんずだが、アイゼンワークやロープワークは殆ど未経験。

    確保技術もないので、些か危険ではあるがコンテで結び合い、私が先に登って行く。

    万が一、私が墜落しても止まるように樹を跨ぐように屈曲しながら垂壁を登った。

    10m程登った所でようやく安定した足場があり、支点にするのに良い灌木もあった。

    セルフビレイを取り、体重差と登攀力を考え、ボディビレイでぽんずを引き上げる。

    その間もわんこ♂は後続の為にしっかりとトレースを痩せ尾根に刻み込んでいた。

    グローブやアイゼンの装備、普段のボルダーとは違う動きに上手く順応したぽんず。

    今後、彼がどの様な山をやるかは分からないが、今回の経験は良き糧になるだろう。

    ロープを回収し、わんこ♂を追う。 さすがに疲れを見せ始めた彼に代わりトップを行く。

    ナイフリッジが連続する。 雪庇を踏み抜かないように神経を使いながらのラッセル。

    ヒメマチ陵_190205_0013

    左側は大きく切れ落ちた横谷、落ちたら命は無い。 右側も落ちると無事では済まない。

    ヒメマチ陵_190205_0018

    気温が上がり雪が腐り始めた。 アイゼンの底面に団子雪が張り付き重く動きが鈍る。

    ヒメマチ陵_190205_0039

    バイルの刺さりも悪くスノーバーも効き難い、切り立った登攀では全神経を集中していた。

    少しでも油断して体制を崩すと、掴み所の無い雪面と一緒に山から引き剥がされてしまう。

    ラッセルの度に巻き上げる雪煙。 進めば進むほどに体力を吸われていくのが分かる。

    ヒメマチ稜_190207_0033

    外気は低いが身体は熱かった。 吹き付ける1月の風と雪の冷たさが妙に心地良かった。

    13:30 ヒメマチ(1,254m) 通過。

    ヒメマチ稜_190207_0026

    ヒメマチ稜_190207_0027

    来たルートを振り返る。 ナイフリッジの連続だった。 緊張感と疲労感で喉が渇く。

    ヒメマチ陵_190205_0055

    見渡す景色に一片の曇りも無く、何処までも続く清涼な青空と白銀の雪に見惚れていた。

    ヒメマチ陵_190205_0056

    ヒメマチ陵_190205_0057

    引き剥がされそうになりながらも何とか攀じ登る。 少しでも緩めると一気に剥がされる。

    ヒメマチ陵_190205_0026

    核心部を抜けた頃、ようやく緩やかな雪原になった。 足取り重くも気持ちは軽かった。

    ヒメマチ陵_190205_0060

    ヒメマチ陵_190205_0058

    ヒメマチ陵_190205_0059

    15:00 荒島岳 山頂(1,523m) 到着。

    ヒメマチ稜_190207_0009

    登り詰めた山頂には誰も居なかった。 遠くまで見渡せる素晴らしい景色だけがあった。

    ヒメマチ稜_190207_0004

    ヒメマチ稜_190207_0003

    3人で喜びを分かち合った。 久しく思い出の1ページに残るであろう山をやった気分だ。

    ヒメマチ稜_190207_0001

    辛くも厳しいルートではあったが、あまり感じることのない達成感を確かに感じていた。

    ヒメマチ稜_190207_0002

    山頂での喜びは薄い。 登ったらどれだけ披露していても降りなければならないからだ。

    パンプした足を引き摺るように歩き、左側に登ってきたヒメマチ稜を見て下りる。

    陽が沈んでゆく。 何とかヘッデン下山にならないように急ぎつつ山を下った。

    スキー場が眼前に映ったが、疲労から駐車場までは吐き気がするほど遠く感じる。

    17:10 勝原スキー場 駐車場 到着。

    何とか無事に日没前に下山を完了することが出来た。 一気に疲労が押し寄せる。

    身体は疲れたが心は洗われた。 仲間と共に素晴らしい山行が出来て嬉しい。

    気が付けば無意識に助け合う。 そんな飾らない関係性で山をやれるのは幸せだ。






















    THEME:登山 | GENRE:スポーツ |

    COMMENT

    楽しそうなバリエーション。

    お写真見る限りでは楽しそうなバリエーションのご様子。
    かなりきつかったり、危なかったりもするのでしょうが、
    見ている分にはうらやましいかぎりですw

    当方のブログにコメントありがとうございます。
    コメントに書いてあったお怪我ご自愛ください。

    自分は今年、冬山はハズレばかりでマイッテマスw
    アイス1本目は何とかなりましたが、明日も別の場所に行くつもりです。
    登れても登れなくてもブログにアップしますので、又お立ち寄りください。

    Red Eyeさん

    おはようございます😃
    いつもながらハラハラドキドキしながらblog読みました!

    左がキレ落ちてるギリギリの所を登られたり、大変なラッセルをしながらでも頂上を目指すとか凄いです!

    私なら尻尾巻いて退散しちゃう(^_^;)

    お疲れ様でした!

    泥船船長あるいは608様へ

    船長さん、こんにちわ!
    いつもありがとうございます^^


    > お写真見る限りでは楽しそうなバリエーションのご様子。
    > かなりきつかったり、危なかったりもするのでしょうが、
    > 見ている分にはうらやましいかぎりですw

    久しぶりに辛いルートで、山をやったなぁって気分になれましたw
    やっぱ体力不足、もっと鍛えないとなぁと思いました。。。

    今年は雪少ないし暖冬で良い機会に恵まれませんねぇ。。。
    先日、黑戸尾根から甲斐駒ヶ岳登りましたが、雪少なかったです。
    てか、長すぎて疲れましたwww

    kaka様へ

    kakaさん、こんにちわ!

    いつも美味しそうなパンの記事を涎垂らして見ていますw

    ヒメマチ行って思いましたが、高度だけが山じゃないなと思いました。
    人擦れの少ないルートでは勘と体力のみが頼りで己が試されます。

    美しくも厳しい山を堪能してきました^^

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