台高山脈 大台ケ原 蒸籠嵓(ブッシュマン) 2019年10月20日
早朝発、4時過ぎに大台ケ原駐車場に着くも、予報は外れまたしても小雨が降っていた。
仮眠をとって夜明けを待つ。 立ち込める霧と全てを濡らす小雨に不安しかなかった。
ご来光を狙うハイカーがゴソゴソと動き始める。 依然として足元は濡れて視界は悪い。
予定を30分程遅らせて出発した。 濡れた登山道を小走りに最短距離で大蛇嵓を目指す。
早朝にも関らず人が多い。 人目に触れぬように留意して登山道から外れて谷を下った。
情報では涸れ沢のはずだが、連日続いた雨の為か潤沢すぎる水量の沢になっていた。
アプローチは難儀した。 ロープを出して懸垂しようかと思ったほどに足元が悪かった。
予定より1時間遅れで取付きに到着。 岩壁は見るからに最悪のコンディションだった。
いくら簡単なルートとは言え、流れるほどの水があれば難易度は格段に増すだろう。
湿っている、濡れているレベルではなく、フェイスを伝い上から下へと水が流れていた。
2人とも引き返すとゆう選択肢はなく、気が付くと装備を身に着けて岩に取付いていた。
奇数ピッチが私、偶数ピッチがガンジー。 全6ピッチ約140mのマルチ入門ルート。
チョークアップも虚しく、一手目に手をかけた時点で手洗い後の様に綺麗な手になった。
びしょ濡れの手でチョークを使えず、腰にぶら下げたチョークバッグは只の重りと化す。
それでも出だしは好調、足は悪いが手はガバが多く沢の登攀の様なピッチだった。
ガンジーを引き上げる。 まだまだ余裕、直ぐにつるべでガンジーが2ピッチ目を開始。
実はこのコンビでのマルチは初。 外岩トレも一回のみでぶっつけ本番の登攀だった。
さすがはガンジー。 サクサク登って終了点。 システム迷うも私を引き上げて終了点。
全ピッチの中で唯一乾いていた3ピッチ目。 チムニーをステミングで登る楽しいピッチ。
思い返せばここのピッチが楽しかっただけで、後は水の流れた極悪フェイスだった。
4ピッチ目、ガンジーが2ピン目で迷い、直上からクライムダウンしてくるヤバイ奴。
安定のオブザベ力、ガンジーらしい動きだがビレイヤーは怖くて堪ったもんじゃない。
終了点から左に巻き込んでガンジーが高度を上げていき、ブッシュの中に消えていった。
蒸籠嵓、ブッシュマンと名付けられたこのルートらしく、所々でブッシュを突っ切る。
因みにブッシュマン2とゆう11台のルートもあるが、それはまた次回へのお楽しみ。
とゆうかクライミングは乾いている時に楽しみたい。 何だかドキドキして楽しくない。
5P目、私のパート。 このルートで唯一ハングがあり、名物となっているピッチを登る。
やはり濡れている。 細かいカチを保持れず、足も効き難くA0になってしまいショック。
一番遊びたかった所をコンディション悪いとは言え、A0になったのはやり切れない。
凹んでばかりはいられず、ハングを乗越してからのスラブもびしょ濡れで恐ろしかった。
細かい足が踏めているのか分からず信用し切れない。 行きつ戻りつが何度も続いた。
大蛇嵓から撮影してくれていた写真、5ピッチ目のスラブを登攀中の私とガンジー。
(PHOTO by mitchan313)
意を決して乗り込んで手を伸ばす。 何とかナルいカチに手が届き難所はクリア出来た。
終了点に着いてホッとする。 濡れたハングとスラブのピッチは悪夢のような登攀だった。
自分はこの程度のなのだ。 この弱さで登りたい壁があるなどと、どの口が言うのか。
ビレイしながら己を恥じた。 もっと強さが欲しい、弱さを呪う前にもっと登り込みたい。
最終ピッチはガンジー。 手は良いが泥交じりの水が流れて足がかなり悪そうだった。
上に行けば行くほど足が効いていない。 少しスリップしたが上手くトップアウトした。
2人とも無事に登り詰めたが、3時間半で抜けるはずが5時間近くも登っていた。
振り返ると大蛇嵓は多くのハイカー達で賑わっていた。 後方からの声援も有難かった。
本来ならば2巡して担当ピッチを交代する予定だったが、2人ともその気力は無かった。
こんなことではやりたい壁は登れない。 お互いに切磋琢磨しよう誓い合った瞬間だった。
大蛇嵓に移動し蒸籠嵓(ブッシュマン)を眺める。 また再来してもっと上手く登りたい。
ロープを結び合ったガンジーには感謝し切れない。 もっと彼と色んな壁を登りたい。
遠くに見える千石嵓(サマーコレクション)と中の滝、来年は力を付けて必ず戻ってくる。
映画の受け売りだが挑戦する心に勝るものはないと思っている。 いずれ、また。
COMMENT
No title
沢のように水が流れるマルチ!!!
おっかない。
お二人の強さとバイタリティには憧れますね。
michannさんが撮った写真のどのあたりに写っているか?
老眼と視力低下のダブルパンチを喰らった目で
探したのですが見つからず・・・
泥船船長あるいは608 様へ
アルパインあるある、乾いていない登攀。。。
ほんとここは良いルートなので乾いてる時期に登りたいです^^
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