新宮川水系四ノ川下谷大滝 2019年11月17日
四ノ川下谷はゴルジュ帯が続く、登攀要素も多く技術面でも難易度の高い沢らしい。
前夜発で道の駅おくとろで集合。 寒空の下、前夜祭でバカ話を肴に兄弟と杯を交わす。
明日の登攀に備えて宴会も程々に早く就寝した。 私はアスファルトでごろ寝スタイル。
ヒルバーグのソウロも全く使う機会が無く、最近はマットとシュラフがあれば事足りる。
流石に厳冬期登山となればテントを使うが、大抵の場合はシュラカバで耐える自信がある。
-20℃の厳冬期富士で、シュラカバだけのビバークに比べたら何処でもマシに感じるのだ。
朝は早目に目覚めた。 道が悪いので兄弟の車1台で駐車場所まで移動することにした。
意外と順調に下谷の出合に到着。 林道の先には茶臼山からの稜線天狗クラが見える。
しばらくは林道を下谷上流へ向けて歩く。 ヌカ谷を越えた辺りで適当に下降して川床へ。
水量は少なく下部は伏流のようだ。 ゴーロをやり過ごしていると暑くなってきた。
開けていた沢は段々と陰鬱な雰囲気と変わり、眼前に支流に掛かる100m滝が見える。
本流の15m滝を巻き上がるが意外と岩が脆くて悪い。 立ち木もイマイチ信用ならない。
慎重にやり過ごして進むと、巨大で下部からは全容が掴めない下谷大滝100mに出合う。
トップはわんこ♂が行く。 綿密にオブザベするも相当悪く、突破には時間を費やした。
プロテクションが取れず、効いていたのは1ピン目のマイクロサイズのトライカムだけ。
万が一にもフォールしたらプロテクション全飛びで確実にグラウンドフォールしただろう。
やはりクライミングシューズが必須。 細かいホールドを踏めない沢靴ではかなりキツイ。
ヌメリもだがフットホールドが乏しく、セカンドでも回収しながらの登攀は難儀した。
テラスに立った時には安堵した。 ここでの気の緩みが後のミスを引き起こしてしまう。
2Pは私がトップ。 2人とも完全に気が抜けていた。 私は登高ルートを見誤った。
良い感じのスラブだった左岸に取付く。 上部に行けば行くほど草付きで岩が剥がれる。
プロテクションが取れずクライムダウンも出来ない。 ホールドも全てが剥がれ落ちた。
何とか効いたハーケン1枚。 ロワーダウンは出来そうもなくドン詰まり状態に陥った。
わんこ♂が私の場所まで登るとビレイを要求。 状況を考えると躊躇ったが彼を引揚げた。
彼がトップを変わると申し出た。 剥がれ落ち泥壁が露出した壁を蹴り込み登り始める。
やはりプロテクションは取れずにランナウト、やっと1ピン取れたと声が聞こえた。
「何を掴んで何を踏んでるか分からん。」と彼は言った。 それほど悪い壁だった。
支点さえ取れれば壁は悪くも登れないこともないが、その支点が取れないから厳しい。
回収の時に分かったが、どれもがプアプロで墜落には耐えれない支点ばかりだった。
今回はわんこ♂の活躍で何とか危機を脱したが、自分の間違いで相方を殺しかけた。
一つの油断とミスが重大な事故を巻き起こす典型で、自分自身を激しく激しく罵った。
自分のミスが大変な状況に陥る結果を招いた事、巻き込んだ彼に申し訳がなかった。
自分が危機に陥って怪我若しくは命を落としても覚悟の上だが、相手はそうはいかない。
ザイルは互いの命を繋ぐ。 改めてザイルを繋ぐ意味を深く考えさせられた登攀だった。
残りのピッチは快適だった。 落ち口まで詰めあがり、左岸から懸垂下降で下って戻った。
下降時には正解のラインがハッキリと見えたが、こちらの登攀は快適なピッチだったはず。
自身の経験不足と判断力の甘さが露呈した1日だった。 これを糧にして更に精進したい。
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