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    RED EYE

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    RED EYEです。
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    銚子川水系清五郎滝川清五郎滝 2020年1月6日

    正月休みの年始一発目の大滝登攀。 本厄の厄払いを受けた翌日に大滝を登攀する。

    今回は厄払いの効果があるのかないのかハッキリするであろう厳しい登攀になるはず。

    何故このクソ寒い時期に大滝なのか。 そりゃあ、ある意味映えるでしょってゆう理由。


    前夜にわんこ♂宅で集合。 車1台で紀北へ向かう。 車内では相変わらずゲスい会話。

    道の駅 海山で泊。 幕内でわんこ♂がダニー師匠直伝の旨い手羽元を振る舞ってくれた。

    清五郎_200311_0039

    これが最後の晩餐かとマイナス思考の私。 そう、明日の登攀にビビりまくっていたのだ。

    清五郎_200311_0041

    清五郎_200311_0040

    何か分からんけど怖い、そんな感じである。 前厄では周りで亡くなったり大怪我したり。

    本厄ではいよいよ自分の番か、そんな気持ちに押しつぶされそうになって眠りについた。

    不安は朝が来ても拭えず、それどころか益々不安が募る。 正月早々何やってんだと思う。

    日本屈指の透明度を誇る銚子川の傍ら、私の心はヘドロに塗れたドブ川の如く濁っていた。

    車止めから約2時間の林道歩き。 2時間、わんこ♂は私の愚痴を延々聞かされていた。

    清五郎_200311_0037

    怖いだの死ぬかもしれないだの遠いだのと、そんなマイナス思考全開の愚痴をずっとだ。

    逆の立場なら絞め殺してるかもしれない。 優男わんこ♂はよく耐えたなぁと感心する。

    大台ケ原の南部は正に魔境、その雰囲気と冷たい空気が入る者を拒んでいるかのようだ。

    しかも帰りにまた2時間林道を歩くのかと思うと不愉快にならざるを得ないのである。

    このアクセスの悪さから、今後は岩井谷や光谷の入渓者は間違いなく減っていくだろう。

    雪が舞ってくる頃、ようやく清五郎橋に着いた。 目指すは上流の落差120mの第2滝。

    清五郎_200311_0036

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    見上げても全容が分からない大きさに圧倒されるが、ついに腹を括る準備が整ってきた。

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    いかに不安が大きくても、現場に立つとすうっと気持ちが落ち着くのは何故なんだろうか。

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    土壇場で畏れている暇などないのだが、心地良ささえ感じられる緊張感が好きで堪らない。

    正直なところ怖くて怖くて堪らないのだけれど、本当の意味で生きている実感を味わえる。

    1P目はわんこ♂がトップ。 悪いランディングでルートは屈曲し、姿は見えなくなった。

    清五郎_200311_0029

    苦戦しているのだろう、間もなくロープの流れが止まった。 静かに時だけが過ぎていく。

    見上げると雪が舞い落ちてくる。 ふわりと落ちる雪が過ぎる時間を遅く感じさせていた。

    手元に意識を集中する。 ロープの動きを感じながらわんこ♂の状態を想像するしかない。

    ロープが流れた。 突破したようだ。 瀑音を切り裂くように合図のホイッスルが鳴った。

    引き上げの合図と共に登る。 なるほど難儀したわけだ、支点にあるエイドで理解出来た。

    エイドと支点回収したら登れなくなった。 沢靴ではトゥもヒールフックも全然決まらず。

    しばらく格闘して諦めた。 メインロープにフリクションノットを巻きプチユマーリング。

    学習能力無い2人、流石に次の大滝こそはクライミングシューズ持ってこようと思った。

    2Pもわんこ♂がトップ。 クラックなので私が先行すれば良かったと後で思った。

    中間はフィストサイズなので、ラバーの沢靴なら割れ目にトゥを突っ込んで登れそうだ。

    上部は泥交じりの草付きフィンガーなので、上手く足を効かさないと危ない感じだった。

    清五郎_200311_0027

    それでも1P目よりは快適なクライミングが楽しめるピッチで楽しさは感じられたと思う。

    3P目は私がトップ。 今までのピッチを思えば超快適で、プロテクションも取り易い。

    清五郎_200311_0007

    スラブは高度感があり気持ちが良い。 いよいよ滝身を潜るが寒過ぎて何度も躊躇した。

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    滝の中はやはり身を切る冷たさで、指先の感覚が無く何を掴んでいるのか分からない。

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    後に滑ってドボンして死にかけた4P目手前の釜があり、その前のテラスでピッチを切る。

    セカンドで来たわんこ♂も水線跨ぎの手前で苦笑い。 この時期の水浴びは寒過ぎる。

    清五郎_200311_0002

    4P目を見上げて水線を進むかどうするか、核心部は遊んだので巻きでも良いかと結論。

    清五郎_200311_0001

    それでも近くまで行って登る気ではいたが、釜のへつりで滑ってドボンして完全に萎えた。

    暖冬とは言えど1月の水は冷たく、胸まで浸かった瞬間に手足の動きが鈍って恐怖だった。

    そんな時に限って擂鉢状で水から上がれない。 外道わんこ♂は笑いながら助けもしない。

    「あぁ、俺は死ぬのか」と核心以外で心を折られるとは、やはり本厄は本厄だなと思った。

    釜の水で厄を洗い流したのだと気を取り直して水線を直登しようと試みたが無理だった。

    清五郎_200311_0025

    何故ならロープを仕舞い込んでいたしフリーでは危な過ぎた。 大人しく右岸を巻いた。

    良い判断だった。 突っ込んでいたら、フリーで滑り易いトイ状でドハマりしていた。

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    13時には滝の落ち口へと到達した。 記念撮影を終えて暫くは整備された滝見道を下る。

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    上部から見下ろすと連打されたボルトが見える。 恐らくはキャニオニングの物だろう。

    滝見台から少し巻き下りて50mの懸垂下降を何度か繰り返して取付きへと下降した。

    清五郎橋へと着いた時は安堵感より、これから2時間林道を歩くゲンナリ感が大きかった。

    ボロボロの濡れネズミ2匹、テクテクと歩いていると遠くからエンジン音が聞こえてきた。

    カスタムされた四駆が前から走ってきた。 この時は軽く挨拶を交わしてすぐ別れた。

    戻ってきたら乗せてくれないかな~なんて思っていたら、本当に戻ってきて乗せてくれた。

    「乗っていく?」の言葉を聞いた瞬間、彼らの背後から後光が差していたように見えた。

    寒さと長いアプローチで疲労困憊だったので、即答で「お願いします!」と飛び乗った。

    強化された足廻りは安定感抜群で、悪い林道を整地路の如く颯爽と駆け抜けていた。

    徒歩ならば小1時間はかかったであろう道を10分ほどで車止めゲートへと到着した。

    降車してお礼を伝えてしばし談笑。 お話を伺うとNTRCとゆう団体の代表の方だった。

    NTRCはボランティアで尾鷲道や天狗倉山系などの登山道の整備をされているとのこと。

    下山で使った滝見道も整備されてると聞かされ、この方達の活動の恩恵を深く感じた。

    年始から厄払い、大滝も登れて人の優しさにも触れ、本当に良い年の幕開けとなった。
















    THEME:沢登り | GENRE:趣味・実用 |

    COMMENT

    No title

    REDEYE様へ

    厳冬期の沢登り。
    読んでいるだけでもき〇たま縮みあがります(爆)
    自分にはマネできないと尊敬してしまいます。
    よきパートナーにも恵まれていて、ただただ凄い。


    山の前日妙に嫌な予感のようなものに捕らわれることってありますよね。自分は度々経験しました。
    とは言っても、登ればいつでも集中してしまうのでまぁ頭の片隅にも残らないのですが、
    嫌な感が当たるときはいつまでも捕らわれてしまいます。
    多分集中できていないからどこかでミスして、嫌な感が当たった気になるのかも?と思っています。

    Y608泥沼船長 様へ

    船長さん、こんにちわ!

    この冬期は暖冬で冬装備を使わなかった悲しい冬でした。
    そんな中でやれるアクティビティは渇水時期の大滝登攀だろうとゆうことでw

    前日に何か嫌な予感するときありますよね。
    意外とそんな時は事故がなくて、何にも思わない時の方が危なかったりします。

    何にせよ、冷静さを失うと山では命取りになってしまいますね。。。

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