加藤則芳メモリアル 信越トレイル開き ワンデイトレッキング③ 2014年6月29日
ようやく斑尾山山頂が近づき始めた時、
私は足元の感触に感動を覚えました。
前記事→加藤則芳メモリアル 信越トレイル開き ワンデイトレッキング②
私はブナの森を歩くのは初めてだったのですが、
ガイドさん曰く、昔は役立たずの樹と言われていたらしいです。
それが近年、森のダムと呼ばれ重宝されているとのこと。
ブナの落ち葉で敷き詰めらた地面はとても柔らかくてクッションの様。
それでいてしっかりとグリップが効き、歩いていても疲れない。
私はブナの森って凄く優しいんだなぁと感動を覚えました。
10:06 斑尾山山頂 到着。
三角点もしっかりと踏んでおきました。
判りづらいですが、足元に沢山のブナの実が落ちています。
ブナの実は熊が食べるらしいですね。 この辺りはもちろん熊が出ます。
斑尾山登頂記念にガイドの山川さんと2ショット。
トークもポーズも控えめな大人な感じの山川さんです。
照りつける太陽の様に元気で明るい森さんとはフュージョンしてみましたw
ドラゴンボールの合体するアレです。 わかるかな?
少人数(3人)とゆうこともあり、通常よりもペースが早くて余裕があるので、
少しコースを外れて景色の良い場所に連れて行ってくれることになりました。
山頂のすぐ下に変わった祠がありました。 いわく付だそうです。
奥の方を覗くと確かに石仏が並んでいますね。 変わった造りです。
なんでも石仏が13体あって、1つ持って帰ったら不幸が続いたそうな。
慌てて返しにきたけれども元通りに収まらなくて前に置いて帰ったらしい。
しばらくしてから見に行くと、何故か元通りに収まっていたそうな。。。
とゆうことが書いてあります。 持って帰るって手癖悪いなw 罰当たりすぎる。
山頂から15分程進んだ辺りで眺めの良い場所に出ました。
さっきまで雲と霧がかかっていたのですが、運良く晴れてきました。
眼下に望めるのは野尻湖です。 気持ちの良い風が吹いていました。
まるで山に歓迎されているかの様な気持ちになりました。
足元には蓮華躑躅(レンゲツツジ)が咲いていました。
登り始めから虫が喧しく鳴いていたのですが、どうやらセミの声です。
ハルゼミといって4月から6月にかけて発生する種類のようです。
運良く成虫に羽化したてのセミを発見しました。 小さくて可愛い。
先ほどまで晴れていたのですが、曇ってきました。
ここから先平坦なルートが続き、非常に楽に歩けました。
ブナの柔らかい土壌の恩恵もあり身体の負担も軽かったです。
私にとって嬉しい発見がありました。 ギンリョウソウです。
割りと全国で見られるらしいですが、私は初めて見ました。
山地の湿度の高い場所に生育する種類だそうですね。
こうして植生をゆっくり見ながら山を歩くのも中々楽しいです。
ガイドの山川さん曰く、ブナの森は霧が出たほうが美しいですよとのこと。
またもや幸運なの晴れから一転、かなりガスってきました。
この辺りは積雪の時期はバックカントリーのルートにもなるそうです。
ただ傾斜が少なく、スキーはともかくボードには不向きだそうですね。
ここには昔リフトがあった跡が残されていました。 廃墟っぽくて素敵。
ここも冬場は立派なゲレンデになるんでしょうね。
傾斜が微妙に膝を痛めつけてきます。 滑って下りたい。
これは蝶なのか蛾なのか? 止まってる時に羽を閉じないのは蛾かな?
ハッキリ言って、蝶も蛾もそんなに変わらないとゆうか同じとゆうか。。。
この花の名前は失念してしまいました。
折角教えてもらったのですが、メモを取り忘れていました。
こちらの花の名前も失念。。。 外来種とだけ覚えています。
なんでも持ち込んで植えたはいいけど、増えすぎて景観が変わってしまったとか。
11:25 昼食。
待ちに待った昼食タイムです。 今回は山での初デビューのアイテム。
CLIKSTAND APPALACHIAN Ti と EVERNEW Ti Ultralight Cookerです。
水を入れてから沸騰まで3分弱。 マルタイのラーメンを入れてから約2分。
アルコールストーブで火力調整が出来ないので鍋を持ち上げたりで調節。
このストーブセットはヤバい! 2次燃焼で圧倒的な火力。
この日は温度は暑いものの、湿度が高く風も強かったのですが問題なし。
私より経験豊富なガイドさんが「かなり沸騰するの早いなぁ」と仰っていました。
かなり使えます。 この軽さと使い勝手は最高ですね。
現段階ではこのストーブセットが今後のメインになりそうです。
チタンのクッカーは熱伝導率が悪いとのことですが、使いようでしょうね。
何気に山川さんと森さん、ストーブセットに興味深々でした。
食後すぐに雨が降ってきたので、食後のコーヒーは諦めて急いで撤収。。。
購入してからほぼ出番のないレインウェアを着用。 やっと出番がきたw
雨が降ってきて一気にガスに覆われました。 前が見えません。
しばらく進むと舗装道路に出ました。 長野と新潟の県境。
この辺りから雨が微妙な感じになってきました。 レインウェアをどうするか。。。
私はトップスだけ着ていました。 パンツは軍用とあって濡れにも強いですし。
ゴアだろうとなんだろうと結局蒸れるので一回脱ぐと再び着る気になれない。
結果、びしょ濡れになるような雨ではなかったので正解だったかもしれません。
12:25 袴岳湿原 到着。
霧が濃くて良い感じの怪しさがあります。 霧の湿原も素敵です。
今日は色んな表情が見れて本当に贅沢な時間を過ごせています。
水芭蕉の花は見ることができませんでした。
聞くところによると、これも熊が食べるらしいですね。
こちらは食虫のモウセンゴケ。 最近はホームセンターでたまに売っていますね。
キモいけど美しくもある不思議な食虫植物。 興味深い生態系です。
タイミングが良かったのか、モリアオガエルの卵を見ることが出来ました。
実物を見るのは初めてです。 本当に泡がブクブクですね。 面白いw
沼の中ではサンショウウオが落ちてくる幼生を食べるらしいです。
自然の摂理と分かっていても、生存するって物凄く過酷なことなんだなぁと痛感しました。
ここから2つのピークを過ぎ、目的地の赤池を目指します。
雨が降ったので、足元がかなり滑りやすくなってきました。
この辺りの気候はニュージーランドとよく似ているのだそうです。
多湿で雨が多く、豊かな森が拡がる信越トレイルはまるで外国の森ですね。
これは桑の実です。 お味はベリー系の甘酸っぱい味でした。
鬱蒼とした森に霧がかかって怪しい雰囲気に。 コダマでも出そうな感じ。
慣れていないとソロで行動していると不安な気持ちになるでしょうね。
ブナの木の幹をみると、木が涙を流すかのように水の道が出来ていました。
強い雨が降ると、滴る水が滝のようになるそうです。 神秘的ですね。
自分の根に少しでも水を溜めようとする生命力が凄いですね。
変わった葉があったのですが、これはハマキムシの卵が入っているそうです。
葉を拡げたら何が出てくるか考えたくもないですね。 卵か幼虫か。。。
こちらはコケの一種でしょうか? 非常に美しい緑色をしていました。
グリーンロタラの水上葉に見えなくもないですが、何の種類でしょうか?
霧の中から現れた大木。 白樺か岳樺か見分けが付きません。
立派な大木ですね。 樹齢どのくらいでしょう?
きっと気の遠くなる昔からこの場所に鎮座してうるのでしょうね。
ブナの森は晴天よりも霧が出た方が神秘的なのは確かでした。
怪しい雰囲気がありながらも何処か優しさを感じさせる神秘さがあります。
13:30 袴岳山頂 到着。
折角なので三角点もしっかりと踏んでおきました。
山行前に綺麗に磨いたブーツがドロドロです。 泥濘が多かったのでしょうがないですね。
ここから先は赤池まで緩やかな下りが続いていきます。
途中でかなりデカい蛞蝓を見つけました。 手との比較です。
立派過ぎてなんとゆうか。。。 ちょっとキモいですねw
今回はガイドさんが同行してくれていますが、ソロだと完全に迷いそうです。
こんなに深いブッシュは初めての経験です。 ルートが分からなくなりますね。
さすがはプロ。 迷いもなくズンズン進んで行きます。
時折、私の腰くらいまで草に覆われることもありました。
この辺りが一番ヤバかったです。 ブッシュをかき分け進まないといけません。
私のような整備された登山道しか経験の無い者にはハードルが高いです。
ブッシュを抜けてすぐに砂利で舗装された車道に出ました。
ゴールの赤池まではこの砂利道を歩くことになります。
ブナの柔らかい道を歩いた後では、砂利の固さが嫌になります。
14:40 赤池 到着。
ここがセクション1のゴールとなります。 霧が濃くて池は見えませんでした。
駐車場にある小屋にはトイレと水場がありました。
スルーハイクの際には重要な水場のポイントになりそうです。
飲料水としては推奨されていませんが、煮沸すれば問題なさそうです。
お迎えの車に乗って集合場所まで送迎して頂きました。
車中で頂いた草餅がめちゃ美味しかったです。
今日1日お世話になったガイドの山川 徳明さん。
ガイド見習いで同行してくれた森 亜希子さん。
たまに寒いギャグを飛ばす山川さんと元気一杯の森さんとの絡みは最高でした。
プライベートの様なリラックスした山行でとても楽しかったです。
特に沢山の表情を見せてくれた信越トレイルにも感謝しています。
とても贅沢な時間を過ごせて、遠くまで来た甲斐がありました。
私は近いうちにここにもう一度訪れると思います。
休みを上手く利用して、スルーハイクでチャレンジしたいですね。
加藤則芳さんの愛した信越トレイル、本当に素晴らしいトレイルでした。