明神平スノーハイク バリエーションルート~薊岳~明神平 2015年2月15日
前回と同じ明神平で雪上テント泊をしようと思い、早朝に大又林道へ向かいました。
しかし予想以上の凍結でスタッドレスでも上がれず完全にスタックしてまいました。
駐車場まであと少しの地点で完全に凍結していてチェーン未装着では走行不可。
誰も居ないので倒木や積んでいたバスタオルを駆使して何とかスタックを脱出。
駐車場まで緩い上り坂で撤退を決意。 車1台分の狭い道をスーパーバック。
かなりの距離をバック走行で戻り、何とかUターンして諦めて帰ろうと思いました。
Facebookで知り合ったKさんも来ると聞いていたのでメールで情報を送りました。
本当はナイトハイクする予定だったKさん。 寝坊してあと10分で着くとのこと。
車が入っていけないので、七滝八壺の手前の砂利広場に駐車しました。
Kさんは日帰りでここから直登で薊岳経由で明神平を目指すルートに変更。
私も同じルートでKさんと一緒に同じルートで明神平を目指すことにしました。
7:45 七滝八壺手前の空き地 出発。
駐車場所横の川を渡り、バリエーションルートへと入って行きます。
写真に写っているのはKさん。 ※ご本人の許可を得て撮影しています。
川を渡った時点からキツい登りに。 ほぼ直登で薊岳を目指していきます。
私はテン泊予定ですので装備が重く、直登ルートは中々堪えます。
Kさんは私を気にかけ、なるべく緩いトラバースを選んで進んでくれていました。
荷物も重く、病み上がりもあり中々ペースを上げられずにいました。
前日まで風邪を引いていたので鼻が詰まり、呼吸が上手く出来ません。
Kさんのペースを乱してしまい、本当に申し訳なかったです。
荷物が重いんでしょうがないですよ、気にしないでくださいとKさん。 優し過ぎです。
束の間の緩い尾根道。 このまま続いてくれれば良いですが甘くありません。
登れば登るほど傾斜がキツくなってきます。
高度を上げるに連れて積雪が多くなり足元の雰囲気が変わってきました。
たまに見かける塗料の付いた木々。 林業の方の目印なのでしょうか?
Kさんは傾斜がキツい場所や足が沈み込む場所にしっかりと跡を残してくれました。
私が歩き易いように何度も蹴り込んで即席の階段を作りながら進んでいたのです。
装備が重い私も辛いですが、かなりの作業をしながら進むKさんに感銘を受けました。
途中で見かけた足跡。 雪の落ちた跡では無さそうでした。
この大きさと形状からすると熊の足跡である可能性は否定できませんね。
時折GPSででルートを確認するKさん。
ここで進めなくなり、少し下りて鹿の足跡を辿ることにしました。
Kさんだけなら突破できたのですが、重装の私を考慮してくれたようです。
この時点で膝上まで沈む状態で、私は腰まで沈む時がありました。
雪深い厳冬期の奈良の山。 風が強く視界が悪くなってきました。
11:00 稜線 出合い。 ここが大又バス停から薊岳への正規ルートです。
私の進行が遅く、ここまで3時間も掛かってしまいました。
私が申し訳ないと言うと笑顔で気にしないで大丈夫ですよとKさん。
かなり雪が深いので、Kさんはスノーシューを、私はワカン
を装着。
私は荷物が重いので、ワカンを装備していても膝まで沈みます。
Kさんの踏跡を辿っていても沈むので、この重量なら仕方がないようです。
天気予報は晴れだったのですが予報は外れて大荒れでした。
この状況を見て予想外だと語るKさん。 私は厳冬期の厳しさを肌で感じました。
お互いにここまでの積雪は予想外でしたし、天候も厳しくなってきました。
私は途中で疲労と脱水気味の為、2度意識が飛びそうになりました。
鼻詰まりによる過呼吸と膝まで沈む雪との格闘で疲れが溜まっていたようです。
水も運動量を考えると500mlでは不十分でした。
喉の渇きを我慢できずに雪を口に入れましたがお勧めしません。
雪が溶ける前に口内の水分が雪に吸収されるので気休めにもなりません。
雪の冷たさで最悪の場合、口内が凍傷になる恐れもあります。
11:27 木屋の尾頭 到着。 ホワイトアウトで眺望は楽しめませんでした。
ここを過ぎた辺りから道幅がかなり狭く、危険箇所が続きます。
おまけに積雪で木々の高さが低く、ザックに引っ掛かり中腰でないと進めません。
私は雪の下に埋まっている岩を踏み、何度かバランスを崩しました。
ワカンを履いて岩を踏むとかなり危険で、最悪の場合は滑落します。
特にこの辺りの下りは恐ろしく、踏み抜いた先に何があるか不明です。
木の根や岩を踏んだ時にバランスを崩すので、膝を壊してしまいそうでした。
まだ痛いのはマシで、踏み抜いた先に何もなければ真っ逆さまに滑落です。
12:37 薊岳 到着。 強風で看板がどこかに飛んでしまったようです。
稜線上ですので遮る物がなく、強風が容赦なく襲い掛かってきます。
露出している肌がみるみるうちに変色してきたので慌てて肌を隠しました。
吹雪のために眺望は楽しめません。 視界は悪く遠くは見渡せませんでした。
当たり前ですし今更ですが、冬山は美しくも恐ろしい場所です。
自然の力に慈悲など無く、ナメてかかると簡単に命を落としてしまいます。
私の技量が足りずにKさんまでも危険に晒さないかとヒヤヒヤしていました。
私の体調不良と重装でペースが遅いのでKさんも辛かったと思います。
稜線を歩きながら、厳冬期アルプスで長期縦走する人って凄いなと思いました。
私のレベルでは到底無理ですし、厳冬期の大峰山に挑むなど無謀です。
14:15 明神平 到着。 スタートから約6時間半。
ようやく着いたものの、天候は荒れてホワイトアウト状態でした。
この時点で自分の体調と天候を考慮してテント泊は断念し下山を決意しました。
取敢えず食事休憩。 小屋の鍵が開いていたので入口を拝借。
Kさんと今夜の晩飯だった鍋を食べました。 簡単な鍋ですが美味しかったです。
食事中、Kさんから色々なお話を聞かせて頂きました。
どの話も興味深くて、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
低体温症になった人を背負って下山した話、山に対する想い等。
とにかくどれも興味深くて凄い話ばかりでした。
15:50 明神平 出発。 下山開始です。
水分補給も出来、続いていた頭痛も治り身体が楽になりました。
暗くなる前に下山したいのでなるべくペースを上げて下っていきます。
登山道は踏み固められてカチカチですのでアイゼンを装着。
大又林道も凍結しているのでアイゼンを装着しないと歩けません。
風の強さと夜間の降雪を考えると撤退して正解だったかもしれません。
道中もKさんのエピソードを聞きながら楽しく下山していました。
厳冬期の大峰奥駈道を吉野から熊野まで縦走アタックした話に驚愕しました。
何でも1周間分の食料をもって27kg程の荷物を持っていたそうです。
まだスノーシューは持っていない時で、胸までの雪を掻き分けて進んだとか。
結果、弥山まで進んで撤退を決意、天川に下りて帰ったと言っていました。
その他、Facebookでアップしていた厳冬期の大台ケ原についても驚きでした。
眠くてビジターセンター前でゴロ寝スタイルで寝袋に包まって寝た話とか、
ナイトハイクでラッセルしながら八経ヶ岳に行った話し等、とにかく凄過ぎでした。
ここまでくるとレベルが違い過ぎて尊敬の念を抱かずにはいられません。
Kさんは話す時はいつも笑顔でとても気持ちの良い青年でした。
18:15 七滝八壺手前の空き地 到着。
辺りは既に真っ暗になっていました。 無事に下山出来て良かったです。
とにかくKさんには感謝です。 貴重な体験をさせて頂きました。
厳冬期の厳しさ、自分の技術レベル、収穫の多い1日でした。
COMMENT
うわー凄い雪ですね!
この積雪の中、見事に完走おめでとうございます。
先日、天川まで行って大峰の積雪量を確認した途端、一歩も歩かずに引き返してきた私とは大違いです(笑)
(途中、下市でラーメンを食べ、道の駅でREDさんに影響されて苔苔買いましたw)
それにしても良い経験ですね。
大又林道から大鏡池~薊稜線までこの時期で3時間はかなり早い方だと思います。
私はもっとかかって吐きまくりました。。。
mojimaro様へ
今回は同行して下さった方のお陰で貴重な体験が出来ました。
予想を上回る積雪と荒天で冬山の厳しさを感じました。
やはり直登で登るのは大変ですねw
同行して下さった方がステップを切ってくれてたのでかなりマシでした^^
苔玉買われたんですねw コケリウム作るのも楽しいですよ^^
私も稜線に出るまで何度か吐きそうになってました。。。
やはり風邪ひきの時は控えるべきですね。。。
いつかmojimaroさんと登ってみたいです^^
よく頑張ったー(笑)
いつかあなたは我々をも追い抜きすごい山に挑戦する人になるんだろうなと予感しております^_^
厳冬期の北アルプス行ってきますとか、来シーズンあたり言っているんでしょうね〜(笑)
SAMURAI様へ
いつもお世話になってますw
雪山は新しい発見が沢山あって驚きました。
無雪期の経験がほぼ役に立たないとゆう恐ろしさ。。。
同じ登山でも違ったジャンルですね。
命あっての物種ですので、程々に頑張ります^^
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