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    RED EYE

    Author:RED EYE
    RED EYEです。
    登山、ゴルフ、アクアリウム等、
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    大峰山 母公堂-稲村ヶ岳 2015年5月31日

    今回は久しぶりのソロで稲村ヶ岳に行ってきました。

    天候は微妙な予報でしたが、取敢えず現地に行って決める事に。

    計画では夜間から稲村ヶ岳山頂を目指し、バリゴヤの頭で朝を迎える予定でした。


    2:30に母公堂に到着するも強い雨で身動きが取れない状態。

    流石に雨天でのナイトハイクは危険と判断し、しばらく様子を見る為に待機。

    結局5時過ぎまで雨が止まず、何とか小雨になったので出発する事にしました。

    inammura.jpg

    5:08 母公堂 出発。

    RIMG1054.jpg

    微妙に雨が降っているものの、木々の葉が傘の役目を果たしてくれています。

    傷心を抱えたまま山に入り、霧に包まれた道の中で自問自答の繰り返し。

    RIMG1067.jpg

    6:00 法力峠 通過。

    RIMG1074.jpg

    行く手を阻むのは蜘蛛の巣と尺取り虫の糸。 既に身体は糸と虫だらけでした。

    皮肉にも糸に絡まりもがく姿は、出口の無い思考の渦に飲まれた自身の様です。

    進むごとに濃さを増す霧に包まれて、俯瞰で自分を見ている様な気分。

    大好きな詩を暗唱しながら山道を歩く姿は異様に映るかもしれません。

       あいつはこんなさびしい停車場を
       たつたひとりで通つていつたらうか
       どこへ行くともわからないその方向を
       どの種類の世界へはいるともしれないそのみちを
       たつたひとりでさびしくあるいて行つたらうか

    RIMG1075.jpg

    足元では沢山のカエルが私を迎えてくれました。

      《ギルちやんまつさをになつてすわつてゐたよ》
        《こおんなにして眼は大きくあいてたけど
         ぼくたちのことはまるでみえないやうだつたよ》

        《どうしてギルちやんぼくたちのことみなかつたらう
         忘れたらうかあんなにいつしよにあそんだのに》

    RIMG1072.jpg

    何処まで進んでも辺り一面を覆い隠す霧が妙に心地良く感じる。

    ここには自分しか居ない安心感と押し潰されそうな孤独感。

    RIMG1086.jpg

    落石による崩壊で崩れた桟橋。 人としての個体が如何に脆いかを痛感させられます。

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    7:10 山上辻 通過。

    ここが山上ヶ岳と稲村ヶ岳の分岐点。 今回は稲村ヶ岳方面に進みます。

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    小屋から香る朝食の良い匂いを感じながら稲村ヶ岳山荘前を静かに通過。

    RIMG1093 - コピー

    霧に包まれて幻想的な登山道。 行く手を阻んでいるのか誘っているのか。

      汽車の逆行は希求(ききう)の同時な相反性
       こんなさびしい幻想から
       わたくしははやく浮びあがらなければならない

    RIMG1095.jpg

    途中で見かけたイワカガミの花。 可憐な花が歪んだ心を癒してくれます。

    RIMG1097.jpg

    大日キレットからの眺望も何も望めず、ただただ真っ白な世界。

    RIMG1099.jpg

    滑りやすい木の根と岩場を超えて大日山を目指す。

    全てが濡れている為、殆どグリップは効かずストレスを感じます。

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    鉄製の桟橋、雨に濡れてスケートリンクの様。 或るいは蝋を塗った滑り台。

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    ここの木製の階段は既に朽ちかけており、踏む度に異音を発していました。

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    7:42 大日山 山頂 到着。

    大日山の山頂には祠が2つ。 霧の中での静かな佇まいは神聖さを感じさせる。

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    祠の一つには大日如来像が祀られていました。

    RIMG1110.jpg

    大日山を後にし、再び霧の登山道に身を投じました。

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    8:00 稲村ヶ岳 山頂 到着。

    三角点を設置した方の事を考えると、とても足で踏む気にはなれません。

    RIMG1115.jpg

    展望台に登ると山頂の標高が記されていました。

    RIMG1116.jpg

    天気が良ければ大峰の山々を望むことが出来るのですが。。。

    何処を見ても真っ白な無の世界。 霧以外は何も見えませんでした。

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    独りになりたくて現実逃避で山に逃げ込んだけれども、黄昏が心を締付けるばかり。

    自分がまるで世捨て人の様で滑稽に感じ、これではまるで自殺志願者の様。

    天候と路面のコンディション、自身のメンタル面を考慮して下山を決意しました。

    こんな状態でバリゴヤの頭を目指すと、本当に現世に帰れなくなるような気がします。

    宝剣を探して藪の中を歩きましたが、結局見つけることは出来ませんでした。

    恐らく宝剣の近くを通過したのですが、この霧で見通しが悪くて気付かなかったようです。

    見つけたのは腕と首に吸い付いた沢山の蛭と体を這いずり回る尺取虫。

    途中で見かけた石楠花だけが、破れた心を癒してくれました。

    こゝろの影を恐るなと
       まことにさなり さりながら
       こゝろの影のしばしなる
       そをこそ世界現実といふ

    RIMG1122.jpg

    歩いて迷って立ち止まって考えて、悩んでいることがアホらしくなってきました。

    何があっても今を生きている至高の贅沢、当たり前の幸せを忘れていたようです。

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    稲村ヶ岳名物、マンモスの木。 自然の造形美に心を奪われました。

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    予定には無かったのですが、五代松鍾乳洞へ寄り道して帰ることにしました。

    母公堂との分岐から少し進んだ所に大きな記念碑がありました。

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    鍾乳洞の入口で料金を支払い、いざ洞窟内へ探検に出掛けます。

    RIMG1171.jpg

    洞窟内は天井が低い場所があり、ザックを背負ったままだと通り難いです。

    これは下半身と名が付いた鍾乳石。 ライトアップが卑猥な雰囲気を醸し出しています。

    RIMG1176.jpg

    まるでゲームの世界に迷い込んだかの様。 スペランカーの気分です。

    RIMG1181.jpg

    天井を見上げると沢山の鍾乳石。 大峰の山域にこんな場所があるとは驚きです。

    RIMG1184.jpg

    どんな素晴らしい彫刻家も、大自然の成す芸術性には敵わないでしょうね。

    本来、生物が求める黄金比は大自然の中にこそあるモノだと感じました。

    RIMG1195.jpg

    鍾乳洞の探検を終えて、車道を50m程歩いて母公堂へ。

    元々はこの母公堂の辺りから女人禁制の結界が存在していたらしいです。

    RIMG1208.jpg

    母公堂は、修験道を開いた役行者が大峯山山上ヶ岳で修行していた時、

    母親が心配して葛城山の麓の茅原から洞川の蛇ケ谷まで会いにきたため、

    これ以上心配して追いかけてこないようにと庵を開いたことに始まる。

    女人禁制は女性差別ではなく、母を想う優しい気持ちの表れだと言われています。

    RIMG1211.jpg

    「まぁコーヒーでも飲んでゆっくり休んで行きなさい。」

    帰る際に母公堂の堂守さんからカステラとコーヒーを頂きました。

    人と接することに嫌気が差し、孤独を求めて山中を彷徨い歩いたこの日、

    誰とも会いたくなく、誰とも話したくもなく、全てを否定してしまいたくなっていた私、

    旅の途中で山に諌められ、旅の終わりには人の優しさに触れて涙が零れました。

    RIMG1212.jpg

     すべてあるがごとくにあり
       かゞやくごとくにかがやくもの
       おまへの武器やあらゆるものは
       おまへにくらくおそろしく
       まことはたのしくあかるいのだ

            《みんなむかしからのきやうだいなのだから
             けつしてひとりをいのつてはいけない》

    THEME:登山 | GENRE:スポーツ |

    COMMENT

    バリゴヤの頭

    RED EYEさん、

     こんばんは。

     「バリゴヤの頭」 懐かしい響きです。
     昔、会社の同僚と山へ行くと言えば決まって大峰でした。
     「ん? バリゴヤ? おもろそうやな、行こか。」
     というノリで通ったものでした。
     彼らはまるで猿か、はたまた天狗?の様な人達だったの
     で、こっちは後を追うだけで必至でした。

     初めての稲村ヶ岳からの眺めには大感動しましたし、
     霧も大峰らしい良い雰囲気を醸し出しています。
     
     山は心の傷、痛みを和らげてくれ、孤独を味わうことで
     又、街へ戻れと背中を押してくれるのですね。

    六甲山探検隊 

    No title

    RED EYEさん、こんばんは。

    ソロハイクお疲れ様でした。記事を読んでコメントしていいのか迷いましたが、心が疲れてしまう事ってありますよね。
    堂守さんのカステラとコーヒーのおもてなし、素敵だと思いました。

    ゆっくり休んで、またRED EYEさんの笑顔いっぱいの記事を楽しみにしています。元気出して〜。

    No title

    RED EYEさん、こんにちは。

    稲村ヶ岳、いい山ですね。
    アクセスも比較的近く、見どころも満載で
    かつ登りやすい。
    麓の洞川に観光名所がいくつもあるも魅力です。

    ええと、
    人間生きていれば希望があるって言うけれど
    実際は、悲しいことのほうが多いですよね。

    永遠に続くと思ってたものが失われたり
    信じていたものに裏切られたり。

    でもまあ我々、悲しいことがあっても山に登れば
    ある程度はリフレッシュできることを
    知っているからまだ恵まれているんじゃないかなあ。

    なにか失っても、辛いことがあっても
    また高度ゼロから登り始めれば
    いいんですよ~。

    隊長様へ

    隊長、こんにちは^ ^

    大きな事故からのリハビリで始めた登山、
    山を知れば知るほど山が大好きになりました。

    時には厳しく試練を与えてきますが、
    今回は優しく私を迎え入れて帰らせてくれました。

    山の大きさが、自分の小ささを感じさせてくれて、
    最後には人の優しさに触れるとゆう素晴らしい山行でした。

    今度は心も晴れやかに山に登ろうと思います^ ^

    たまねぎ様へ

    たまねぎさん、こんにちは〜^ ^

    いつもは自分をコントロールしていたのですが、
    大丈夫だと思い過ぎて、騙し騙しやっていたんです。
    気が付いたら、どうしようもない程に心が疲弊していました。

    私は引き寄せの法則を信じてるタイプで、
    ダメな感じの時に切り替えをポシャると、
    マイナスオーラを引き寄せまくってしまうんですよw
    その逆も然りで、良い時は良いんですけど^ ^

    今回、山に登って霧の中で心が洗われたようです。
    山に出会えて本当に良かったと思います。
    山を通じて沢山の方と出会えた事も感謝しています。

    激励のお言葉、ありがとうございます!

    mojimaro様へ

    mojimaroさん、こんにちは!

    ちょっと久しぶりに落ち込んでいました。
    でも山で自然の恩恵に触れて目が覚めたようでした。

    確かに良い事ばかりじゃないけれども、
    辛い事もあってこその幸せなんだと感じました。
    登山も然り、辛い登りがあって得られる満足感がありますものね^ ^

    mojimaroさんの言われるように底に着いたら登ればイイだけですね♪( ´▽`)
    もっと前を向いて歩いていきます^ ^
    ありがとうございました。

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