剱岳 早月尾根ルート デイアタック 2015年7月26日
車で大阪を20時過ぎに出発し、1時過ぎに馬場島に到着。
不眠不休の状態で早月尾根ルートから剱岳を目指して登山開始。
1:12 馬場島 駐車場 出発。
今回の同行者は久しぶりに会うKさん。 Kさんもギリギリまで仕事で不眠です。
登山口に向かって歩くと、早月尾根の案内表示と名文句の石碑。
登山口で国有林の看板と足元に山頂までの案内標識のプレート。
標識の山頂までの距離と標高を見て激しい急登のルートだと判ります。
いきなり始まる急な階段に心を折られそうになり、一気に心拍数が上昇します。
六甲山の400階段、菊水山や鍋蓋山の登りが可愛く思えてしまう急登。
1:48 松尾平 通過。
標高1000mの標識がある松尾平から緩やかなコースになり安心したのも束の間。
再び今までの辛さがこれから始まる苦行の序曲だったかの如く急登が続きます。
避暑地でナイトハイクにも関わらず、全身から汗が噴出し服はびしょ濡れ。
登山開始から暫くはペースが安定せず、心拍数が乱れては小休止の繰り返し。
アルプスに来たとゆう実感はなく、蒸し暑い低山の急登を登っているような感覚。
200m毎に設置されている標識は、まだこんな高度かと思い知らされます。
傾斜が緩やかになれば足は楽ですが、距離が増えて高度は稼げなくなります。
急登は身体へのダメージはありますが高度は稼げるとゆう負のスパイラル。
タフガイで登り好きのKさんも、さすがに早月は手強い急登だと辛い様子でした。
私は呼吸と心拍数は安定したものの、既に脚部はパンプ状態でヘロヘロ。
気が付けば薄っすらと空が明るく、山頂での御来光は厳しい状況になっていました。
仕事に追われて山に行けてなかったKさんと山頂での御来光を見たかったのですが、
容赦なく襲い掛かる急登にペースは上がらず、自身の能力の低さが情けなかったです。
突然目の前に現れた残雪。 8月だとゆうのに雪が見れるとは感動です。
刻々と時間は過ぎ、陽は昇り始めて早月尾根に朝が訪れ始めました。
登山開始から3時間経過。 ようやく標高2000m、早月小屋まで残り1.0km地点。
ヘッドライトが不要になり、歩きやすくなったものの急登は変わらず襲いかかります。
再び残雪がコース上にありましたが、アイゼンやチェーンスパイクは不要でした。
空が明るくなり段々と表情を変える早月尾根。 美しくも厳しい登山道です。
開けた場所から剱岳を望むと、下の方にテントが数張り設営されていました。
4:53 早月小屋 到着。
ここで20分ほどの休憩。 私は何故か腰掛けるのを嫌って写真を撮っていました。
早月小屋から望む立山 奥大日岳、小窓尾根、馬場島方面。
小屋を出発して標識を確認。 3km弱の距離で800m弱の高度。
急登には変わりありませんが、登山口から小屋までの事を考えれば遥かにマシです。
何か臭うと思えば、室堂方面から風に乗って地獄谷の硫黄臭が漂っていました。
急に眩しさを感じ、東の尾根を見上げると太陽が顔を出していました。
随分と登ったように感じても小屋から200mしか高度が上がっていません。
森林限界になり、這松と岩のミックスになり高山地帯に来たんだと実感が湧きます。
突然現れた岩壁。 意外と登りやすい岩でちょっと拍子抜けとゆうのが正直な印象。
酸素が薄く息が切れ易いのに、Kさんが笑かすので腹筋がヒクヒク痙攣していました。
ここからチラホラと現れる先行者をパスしつつ山頂を目指してペースアップ。
振り返ると眼下に馬場島方面、遠くには富山湾や能登半島を望む事が出来ます。
6:11 標高2600m地点 通過。
小屋を出発して約1時間、山頂まで残り1.6km 標高400m弱。
先程までの残雪とは比べ物にならない程に分厚い雪が残っていました。
朝日が登り、直射日光はキツく降り注ぎますが、風が冷たくて心地良い。
山頂が近付くに連れて登山者の姿が多く見られるようになってきました。
岩場では先行者の落石が多くて危険なので、あまり近づかないように気を付けます。
皆さん登るのに必死で目の前ばかりで、足元を気にする余裕がないようです。
折角の待機時間なので、私達は周りの景色を楽しみながら岩場をクリアして進みます。
いよいよ核心部なのか楽しく高度を上げれる、鎖と岩のコースになってきました。
足場はそれなりにしっかりしていますが、下山するハイカーとの交差も気を遣います。
この先が通称カニのハサミ、滑落死亡事故が発生している危険箇所。
私個人の意見では、自身の滑落より先行者の落とす落石の方が恐ろしく感じます。
別山尾根との分岐で蓮華岳、ズバリ岳、針ノ木岳方面の先に富士山が見えました。
6時間以上の長く辛い登りを経てようやく山頂が見えてきました。
7:45 剱岳 山頂 到着。
三等三角点にタッチ。 この場所にこれを設置した方の凄さをしみじみ感じます。
白馬三山、不帰キレット、唐松岳、五龍岳、八峰キレット、鹿島槍ケ岳方面を望みます。
前剱、剱御前、浄土山、龍王岳、雄山、大汝山、別山室堂、国見岳、穂高連峰、薬師岳。
テンションマックス! 足は生まれたての子鹿! プルプルしながらヤマネチ!!
素人ハイカーを受付ない、危険な死の香りがする源次郎尾根。
登ってきた早月尾根を見下ろすと、早月小屋、馬場島、富山湾が望めます。
「試練と憧れ」 この場に至って、憧れに立った喜びを噛み締めます。
憧れを後にし、再び長く辛い試練の道を下って下山開始。
核心部と言われている岩場と鎖場は下りの方が緊張感があります。
足元が狭い場所があるのでハイカー同士で交差する際は充分な注意が必要です。
登りの時におじさんハイカーが腰掛けていたので撮影できなかったプレート。
すれ違ったハイカーに教えて頂いたのですが、名前を失念してしまった高山植物。
いつまでも下山する私の背中を優しく見守ってくれている剱岳。
登りの時は疲れと逆光で撮影出来なかった急登の登り。
登りの辛さ自体は、登山口から早月小屋までの方が格段に辛く感じます。
眼下に早月小屋が見えていますが、下半身の疲労もありペースが上がらない。
10:12 早月小屋 到着。
小屋では冷たく冷えた飲料が購入出来ます。 初めて記念バッジを買いました。
ハイドレーションを補充し、冷たく冷えたコーラを飲んでリラックスタイム。
眠くなるので、休憩も程々に20分ほどの休止で下山再開。
登山道にある生命力を感じる立山杉の巨木。
やはり登山口から早月小屋までの勾配の方がキツい様に感じます。
夜間はあまり急峻な坂の雰囲気が撮影出来なかったので振り返って撮影。
登山口から松尾平までの階段地獄が個人的には堪えました。
身体が温まってない状態でいきなりキツい階段が延々と続くので足へ負担が大きいです。
12:53 松尾平 通過。
高度が下がるにつれて風通しが悪く、恐ろしいほどの暑さで参りました。
唯一、松尾平の休憩所が風通しが良く、それ以外はまるで熱帯雨林の様でした。
登りがキツい分、当然ながら下りも同じ勾配を下るので膝はガクガクです。
特にザレている箇所では踏ん張りが効かずにスリップすることが多くなります。
13:34 馬場島 到着。
長く辛い試練を乗越え、無事に登頂下山する事が出来ました。
馬場島駐車場で車のクーラーボックスに入れておいたビールを飲むKさん。
私は運転で飲めないのでコーラとスポドリで喉を潤しました。
Kさんのこの美味そうな表情、ビールのCMに使えそうですね。
馬場島荘のお風呂に入り、サッパリした所で大阪へ向けて出発しました。
早月尾根からの剱岳デイアタック、非常に手強い急峻な登りの連続。
試練の連続を乗越えて至った山頂での眺めは最高でした。
ヤマレコの記録はコチラ
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-685271.html
COMMENT
No title
私は早月は3回?だったかな?登ってます。
私が登った時は、確か松尾平までの階段は無かったですね。階段は歩幅が合わないので嫌いです。
残雪の感じなど、夏山の一番きれいな時期に当たって良かったですね。
残雪が減るにつれて、美しさも減って来ますから。
私は馬場島から小屋まで最速2時間半でした。
大学生の頃のお話ですが。
目目連様へ
馬場島から小屋まで2時間半とはメッチャ早いですね!
私はとゆうと暑さと慣れない急登でヘトヘトでしたよw
減量に重きを置きすぎて、筋力アップが疎かになってました。。。
もう少し脚力のアップも視野に入れてトレーニングしようと思っています。
下山して馬場島荘のお風呂に入った時、体重量ったら3kg落ちてましたw
No title
剱岳登頂おめでとうございます!
やっぱりスゴイ所ですね、関西の山とは
スケールが違う。
それにしても天候が良くて何よりでしたね。
素晴らしいお写真の連続で私までお腹いっぱいになりましたw
登頂でヤマネチ、もはや恒例ですね!
私は今度、天保山あたりでやろうかと思います。
雨に濡れたチワワのように体をヒクヒク震わせながら。。。
mojimaro様へ
やっぱりアルプスはデカいですねw
個人的には大峰が好きですけど、
暑い時期は高山か沢に限りますねw
mojimaroさんのヤマネチ、期待しております^ ^
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