RED EYE'S Report

予定では前鬼から仏生嶽まで奥駆道の下見。

時間と天候と相談して余裕があれば七面山か神仙平まで行こうと考えていました。



前夜、２０時まで仕事の後、帰宅して不眠のまま出発。

１時半に前鬼車止めゲートに到着、すぐに用意して登山開始。

２：０８　前鬼車止めゲート出発。

稲光で空が怪しく光る中、まずは釈迦ヶ岳でのご来光を目指して出発。



雷が鳴り、軽くガスが出ていますが涼しくて快適。

前回はKさんと一緒に登ったコース、大好きになってまた来てしまいました。

前記事はコチラ　→　 大峰山　前鬼－釈迦ヶ岳－大日岳　ナイトハイク

２：３８　小仲坊　通過。

宿泊されている方が居られるようなので静かに通過。

前回にKさんのリードで歩いていたので記憶を呼び覚まして進みます。

コースについては前回の記事で触れているので詳しい説明は割愛します。

強いて言うならば、この様なルートでは夜間は迷い易いので注意が必要です。



沢を渡る箇所で誰かが積んだ見事なケルン。　絶妙なバランスが素晴らしい。



３：４２　二つ岩　通過。

夜間は上手く撮影出来ません。　ここから先はルートがハッキリするので安心です。



稲光と唸るような獣の声にビビりながら濡れた笹を掻き分けて進みます。

夜露に濡れた笹でパンツがびしょ濡れになり、後でかなり後悔することに。

４：２５　太古の辻　通過。



ここから深仙ノ宿までは特に危険箇所もなく快適に歩けます。



ちょっとルートを外れて小ピークへ寄り道。　釈迦ヶ岳方面を望みます。



４：４９　深仙ノ宿　到着。



深仙ノ宿の先にある潅頂堂。



深仙ノ宿に着いた途端に急激にガスってきました。

ご来光を諦めつつ、ここでテン泊されていた方と出会い少し歓談。

夜中から前鬼からよく登ってきたね～とか雷大丈夫だった？とか。

奥駆経験者の方から貴重な体験談とアドバイスを頂きました。

夏場は水場が枯れるし虫も多いから５月位にした方が良いとの事。

確かに暑い時期は辛いかもしれません。　水場が攻略のカギですね。

お別れをして山頂を目指して再出発。　ガスが更に濃くなってきました。

霧に包まれる３９番目の靡　都津門。



山腹に巨大な岩塔が無数に屹立しているのが五百羅漢。



小ピークを過ぎると山頂まであと少し。





夜露に濡れたのか前日の雨で濡れたのか笹の水滴で下半身がずぶ濡れに。

パンツもブーツも中まで浸水してしまい、かなり不愉快な事態になってしまいました。







５：５３　釈迦ヶ岳　山頂　到着。







お釈迦様に祈りを捧げると、



雲が晴れて日出が見えてきました。



さっきまで視界の悪かった状態が嘘の様に晴れてきました。

今日の旅の安全と個人的なお祈りをして山頂を後にし奥駆道を進みます。



お釈迦様の後ろから続く奥駆道。　結構な勾配で下っていきます。　





杖捨て　馬ノ背。　思ったより危険さは感じられず余裕で通過出来ました。





釈迦ヶ岳から孔雀岳までは通過に時間が掛かり、距離が長く感じる。

時折、緊張感のある箇所が続くが、素晴らしい景色に心を奪われて足を止めてしまいます。

展望のピークと岩峰、その先に望む七面山。





ここが阿吽の狛犬と呼ばれている岩峰？　ダイナミックな景色が素晴らしい。



椽ノ鼻に鎮座しておられた蔵王権現像。



蔵王権現像の足元に役小角の像が祀られていました。



不確かですが地図上では両部分けと記されている場所。



この辺りが鐺返し　螺摺りと記されている岩場。



途中で見かけた御札が奉納された祠。　孔雀岳に至るまでに２ヶ所見かけました。





登山道より東側はガスが掛かり、景色は殆ど見ることが出来ませんでした。



７：２０　孔雀ノ覗　到着。



覗き場からも景色は望めず。　相変わらず東側は濃いガスに覆われていました。





濡れた足を乾かす為に小休止。　ウールソックスは乾きません。。。



孔雀ノ覗を後にし、歩き易い緑が美しい登山道を進んでいく。





７：４２　孔雀岳　山頂　到着。

覗き場とは違い、大して眺望も宜しくないので長居せずに出発。



孔雀岳から仏生嶽までの間は踏跡もしっかりしていて勾配も緩く歩き易い。







ここにも御札が積まれていた。　改めて大峰は信仰の深い山だと知ることが出来る。



奥駈道から外れて仏生嶽　山頂を目指します。



８：１９　仏生嶽　山頂　到着。





ここでこれからどうするか。　七面山か神仙平に向かうか戻るか。

濡れたままの足と現在時刻、東の空に掛かる雲を考慮し下山することに決定。

今の自分のコンディションで前鬼まで５時間以上掛かると判断した結果です。

山では何が起こるか分からないので、少しでも不安要素があったら撤退あるのみです。



途中で振り返り、名残惜しく七面山方面を望む。　しかし後悔はない。



孔雀岳の下にある水場。　枯れていることが多いと聞くが、この日は水があった。



再び孔雀ノ覗。　時折ガスが晴れて景色を望む事が出来た。



少しズームアップ。　この岩塔群が五百羅漢。



釈迦ヶ岳方面を望むと分厚い雲が竜の巣の様。



両部分け手前。　気持ちのよい稜線歩きは最高です。



笹が腰の高さまで伸びています。　葉が濡れていたのでびしょ濡れになりました。



椽ノ鼻の上部から望む釈迦ヶ岳。　こうして見ると美しいピラミッド型の山です。



再び美しい岩峰群を望みながら釈迦ヶ岳を目指します。







圧倒的に巨大な岩壁。　まるで屏風を拡げたような出で立ち。

岩壁の上部には、まるで人の手で積まれたかの様な岩があった。


　
巻き道の反対側からも行けそうな気がするが。。。

不安要素が多いので、無理に突っ込むのは止めて元来た道を進む。



馬の背を越えると、釈迦ヶ岳までの急登の坂が待ち構えています。

１０：２０　釈迦ヶ岳　山頂　到着。



すっかり空は晴れて、歩いてきた奥駈道と八経ヶ岳を望むことが出来ました。



山頂から十津川方面に下ると水場　行者のかくし水があります。



備え付けられている鍋で水を被ろうと思ったが、鍋の底をよく見ると。。。

そこには大量のヒルが！！　使う前によく見ておいて良かった。。。



水場の周りには大量のトリカブト。　水を飲むのを躊躇ってしまいます。



水場から踏跡を辿り、深仙ノ宿を目指しましたがちょっと失敗。

勾配は緩いのですが、とにかく歩き難いのでひたすら嫌悪感。

水場から登り返して、元のルートを戻れば良かったと後悔していました。







１１：０６　深仙ノ宿　通過。

ソックスを搾り、濡れた足を休ませる為に小屋で小休止。

足がフヤケていたので、あの時点で下山を決意したのは正解でした。

スルーしようと思っていましたが、大日岳に寄り道。





久しぶりに訪れた大日岳の岩壁。　見上げると迫力があります。



鎖のある場所まで右側から巻けますが、やはり岩を登った方が気持ちが良い。



鎖も岩も浮いている箇所があるので、しっかりと三点支持で。

あまり鎖に頼らず、岩を掴んだ方が登り易い感じがします。





岩場を登り切ると大峰の素晴らしい山々を楽しむことが出来ます。




１１：３６　大日岳　山頂　到着。

山頂には大日如来像が祀られています。





大日岳からの下りは巻き道を下り、途中から奥駈道へと繋がっています。

１１：５９　太古の辻　通過。

ここで前鬼から登って来られた修験者の方とご挨拶。



ここからは小仲坊まで下り一辺倒。　途中で迷いやすいので注意が必要です。





１２：３８　二つ岩　通過。

登山道から三度上り下りし釈迦ヶ岳に祈願すると、願いが叶うと言われています。



地図読みの練習をするならば、敢えて迷ってみるのも良いかもしれません。



涸れ沢等、踏跡やテープが途切れる場所ではしっかりと地図の確認を。



高度を下げるにつれて踏跡が明確になり、非常に歩き易くなります。



下りのほうが距離が長く感じてしまう不思議な感覚。



人工的な石畳が見えてくると小仲坊まであと少しです。



五鬼童住居跡。　鬼の末裔が住んでいたと言われている。







１３：２４　小仲坊　通過。



ここから車止めゲートまでは舗装路を歩いて行きます。

太古の辻から小仲坊までの下りで疲れた足には舗装路歩きは堪えます。



途中で見かけた大毛蓼（オオケダテ）とゆう花。

近くで見るとゾワゾワする気持ち悪さがありますが、どうやら薬草らしいです。

調べてみると、化膿性の腫れ物や虫刺されに効くようです。

ご指摘頂いたのですが、どうやら洋種山牛蒡（ヨウシュヤマゴボウ）のようです。

毒性があるので触れたり摂取したりしないようにして下さい。

果実は見たことあったのですが、花がこんな感じだとは知りませんでした。。。





１３：４９　前鬼車止めゲート　到着。

登山中は殆どハイカーと出会わなかったのですが、駐車スペースは満車。

この日はどうやら沢屋さんが多く訪れていたようでした。

私も汗臭いので川にダイブしようと思ったのですが、着替えを忘れるとゆう失態。

不眠不休で急いで用意して来たので、やっぱり忘れ物をしていました。。。

しょうが無いので汗臭いまま水量の多い不動七滝を眺めて帰宅しました。




今回の反省点は、当たり前ですが登山前はしっかりと休息睡眠をとること。

暑いのもあり、ここぞとゆうところでパワー不足を感じた１日でした。

後は濡れた状態での藪漕ぎは早目の対策が必要、これも当たり前ですね。

ゴアテックスは有能ですが、内部が濡れると本当に悲惨な目に遭います。

毎回反省点ばかりで新しい発見もあって勉強になるのも登山の魅力です。

ともあれ気持ちの良い山行で、大満足な１日でした。


ヤマレコの記録はコチラ
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-694778.html